米アップル社が、人工中絶や同性婚の反対を訴える内容のアプリを「iTunes」や「iPhone」のストアから削除したとして、同アプリを制作したキリスト教指導者らが同社に抗議していることが分かった。CNNが伝えた。
同アプリは「マンハッタン宣言(Manhattan Declaration)」と呼ばれ、ユーザーに対して「同性婚を支持しますか?」「人工中絶における選択の権利を支持しますか?」などといった質問を出し、「正解」の数によってスコアを計算するというもの。47万8000人以上のユーザー登録数があったという。
名称の由来は、昨年11月に福音派教会、正教会、カトリック教会の指導者らが出した共同声明である「マンハッタン宣言−キリスト者の良心の呼びかけ」。同宣言は人工中絶を「生命の尊重や個人の尊厳に対する感覚の欠如が原因」、同性婚を「結婚文化の弱体化と腐敗を知る指標」などと批判しており、同アプリの質問と正解はこの内容に沿っている。
CNNによると、アップル社の広報担当者は同アプリを削除した理由について、「多くの人々に不快感を与え、当社の開発者ガイドラインに反する」ためと述べたが、具体的に誰が、アプリのどの部分に不満を持っているのかは明らかにしていないという。
これに対し、同アプリ制作者側は、アプリは10月にアップル社の承認を受けて登録され、「不快感を与えないコンテンツ」として「4プラス」の評定を受けていたと主張。同社のCEO(最高経営責任者)宛てにアプリの復活を求める文書を送付するなど抗議活動を展開している。