旧約に続き、昨年新約の翻訳も完成した現代ベトナム語聖書頒布のために、スコットランド聖書協会では必要資金のための協力を呼び掛けている。同協会では2つのプロジェクトを立ち上げ、ベトナム国内で計20万冊を頒布する計画だ。ベトナムでは近年、クリスチャンの増加が見られる一方、聖書の絶対量が不足しており、同協会のイレーヌ・ダンカン代表は「(信仰のための)最も基本的なツール、聖書が不足している」と語った。
現代の言葉遣いに合わせて改定が進められていた現代ベトナム語聖書は、04年に旧約が完成し、新約は昨年完成したばかり。同協会では、一つのプロジェクトで3万2千冊の聖書と1万5千冊の新約聖書を頒布し、若年層に的を絞ったもう一方のプロジェクトでは、3万冊の子ども用聖書、1万冊の聖書、11万5千冊の新約聖書を頒布する計画だ。
ダンカン氏は、改定前のベトナム語聖書は古い言葉遣いを使った訳出になっていたため、若者や特に聖書に初めて触れる人々にとっては理解し難いものになっていたと言う。
「ベトナムの教会に聖書を配ることで、(その教会に通う)クリスチャン一人ひとりが聖書のコピーを持つことができる。そしてまた、これは神の言葉を他の人に伝える機会へとつながる」と語った。
また、「現代語での翻訳が完成したので、今後は成長するベトナムのクリスチャンのために聖書を印刷し、配ることが重要になる。可能な限り多くの人々に(聖書を)届けるため、みなさんの協力が必要だ」と訴えた。
07年の国勢調査によると、ベトナムでは人口の約8%がクリスチャン。うちカトリックが約600万人で、プロテスタントは約100万人とされている。人口の大半(約85%)を仏教徒が占めている。