南米大陸の北部に位置し、国土の大部分が手つかずの熱帯雨林に覆われている国がスリナムだ。かつてオランダの植民地であったこの国は、アフリカ系、インド系、ジャワ系、先住民など多様な民族がモザイクのように入り混じる、世界でも類を見ないほどユニークな多国籍社会を形成している。一見すると平和で豊かな多様性を象徴しているように見えるが、その霊的な土壌には、この国特有の複雑で根深い課題が横たわっている。
同国の人口約64万人のうち、半数近くが自らをキリスト教徒であると自認している。しかし、信仰は名ばかりで形骸化している。さらに深刻なのは、キリスト教の信仰が、土着の精霊信仰(スピリティズム)や、呪術と深く混ざり合う「シンクレティズム(混合宗教)」のまん延である。
人々は日曜日には教会に通って形だけの礼拝をささげるが、日常生活では、困難や病気に直面すると、精霊信仰や呪術に助けを求めてしまう。真の福音の力が、伝統と迷信という暗闇の覆いの下に隠されてしまっているのがスリナムの霊的な現状なのだ。
カトリック教会やモラビア兄弟団といった伝統的な教派は、長年にわたり確固たる社会的基盤を維持してきたものの、その成長はごくわずかであり、霊的な停滞に直面している。しかし、決して希望がないわけではない。深く根を張った混合宗教の土壌に、新しい風が吹き始めている。
近年、ペンテコステ派やカリスマ運動の教会が、急激な成長を遂げているのだ。彼らは、聖霊のダイナミックな働きと生きた神の力を力強く宣べ伝えている。この生きた信仰は、精霊信仰の鎖から人々を解放し、純粋なキリストの福音へと立ち返らせる強力な原動力となっているのである。
主イエスは言われた。
風は思いのままに吹きます。その音を聞いても、それがどこから来てどこへ行くのか分かりません。御霊によって生まれた者もみな、それと同じです。(ヨハネ3:8)
聖霊の風が吹き、人は新しく生まれる。
多様性と伝統の国、スリナムのために祈ろう。名ばかりの信者たちの心の目が開かれ、精霊信仰や混合宗教の鎖から完全に解放されて、生けるキリストとの個人的で深い関係へと導かれるように。急速に成長する新しい教会と伝統的な教会が、真理の御言葉を土台として教派を超えた一致を築き上げることができるように。
スリナムの多様な民族全てが声を合わせて、唯一の創造主を賛美し、真の礼拝をささげるようになる霊的刷新を求めて、祈っていただきたい。
■ スリナムの宗教人口
プロテスタント 23・5%
カトリック 20・6%
英国教会 0・03%
イスラム 16・9%
ヒンズー 22・8%
ユダヤ教 0・2%
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