欧州有数のサッカー大国がスペインだ。アトレティコ・マドリードの本拠地「リヤド・エア・メトロポリターノ」はこの日、熱い賛美が響き渡り、いつもとは全く異なる聖なる熱気に包まれていた。グラウンドを埋め尽くしたのは、サッカーファンではなく「The Change」と呼ばれる伝道イベントに集まった4万人を超える人々だ。
伝統的にカトリックの強い影響下にあったスペインだが、近年は急速に世俗化が進み、教会の影響力は著しく低下していた。しかし、この巨大なスタジアムで数万人の群衆が両手を高く挙げ、心を一つにしてイエス・キリストの名を呼び求める姿は、霊的に渇いていた欧州の地に「福音派の急成長」という新たな波が確実に押し寄せていることを力強く証明している。
この歴史的なイベントにおいて、群衆の前に立ち、ひときわ大きな感動を呼んだ一人の男がいた。かつて世界最高の右サイドバックとして名をはせ、サッカー界で数え切れないほどの栄冠を手にした元FCバルセロナのスター選手、ブラジル人のダニ・アウベスである。
過去に幾度となくこうした巨大なスタジアムのピッチに立ち、大観衆の称賛をほしいままにしてきた彼だが、この日の彼がまとう空気は以前とは全く異なっていた。彼は深刻な罪に問われ、14カ月という長い期間を冷たい刑務所の壁の中で過ごすという暗転を経験したのだ。富、名声、そして自由の全てを失った絶望のどん底で、彼は自らの罪深さと無力さに直面することになる。
しかし、その刑務所の暗闇の中において、彼は救い主に出会ったのだ。「キリストが私を自由にしてくれたのです」。マイクを握る彼の声には、かつてのスター選手としての気負いはなく、ただ神の恵みに対する深い感謝だけがあふれていた。
彼は群衆に向かって力強く語りかけた。「愛とは、その人が愛される資格など全くないときにこそ愛することなのです。キリストは、そんな私に対してそれをしてくださいました」。全てを失った囚人という立場から、彼は神との間に「契約」を結んだのだという。
かつては自らの栄光のためにスタジアムを駆け抜けていた男が、今はキリストの十字架の愛を伝える生きた証人として、同じスタジアムの舞台に立っているのである。
世俗化の波にのみ込まれつつあったスペインの社会に、真の自由と希望をもたらす福音のメッセージが力強く響き渡っている。華やかな名声の頂点から転落し、刑務所の中で魂の救いを見いだした一人の元サッカー選手の証しは、人間の作り出すいかなる栄光よりも、神の許しと愛がどれほど人を自由にするのかを雄弁に物語っていた。
「私は14カ月間刑務所に収監されていましたが、その中でキリストが私を解放してくださいました。あなたがどんな牢獄に直面しているかは分かりませんが、キリストはそれらの牢獄と人生の壁を打ち破ってくださいます」
「キリストを持つ者は新しく造り変えられます。古いものは過ぎ去ります。私はサッカー選手として、8万人もの観客の前でプレーしたこともありますが、それは今の私にとって感動的なことではありません。私は全てを失いましたが、それによって王の王、主の主であるイエスを見いだしたのです」
聖書は言う。
だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。(Ⅱコリント5:17)
人を全く新しく造り変える力は、キリストの福音以外にない。ダニ・アウベスに起きたことは、キリストを信じる全ての者に起きるのだ。
神の訪れのときを再び経験しているスペインのために祈ろう。スタジアムで共に賛美をささげた4万人が、それぞれの都市や共同体に戻り、キリストの愛を大胆に伝える変革の担い手として力強く用いられるように。
ダニ・アウベスの個人的な歩みが完全に守られ、彼の赤裸々で力強い証しを通して、かつての彼のように、富や名声の背後で霊的な渇きを抱えている多くの人々に福音が届くように。そして、神の圧倒的な恵みがスペイン全土を覆い、この国が再び欧州における生きた信仰の拠点として力強く立ち上がるよう、祈っていただきたい。
■ スペインの宗教人口
カトリック 77・8%
プロテスタント 1・8%
英国教会 0・2%
イスラム 2・4%
無神論 19・5%
ユダヤ教 0・7%
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