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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(5月18日):スーダン あるイスラム指導者イマームと聖書の出会い

2026年5月18日19時56分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:スーダン
ワールドミッションレポート(5月18日):スーダン あるイスラム指導者イマームと聖書の出会い+
スーダンの首都ハルツーム(写真:Arwa51o / CC BY-SA 4.0)

アフリカ大陸の北東部に位置し、長年にわたる政治的混乱と宗教的な緊張に揺れる国がスーダンだ。この国において、イスラム教は単なる個人の信仰にとどまらず、社会の基盤であり、日常生活の全てを支配する絶対的な規範となっている。地域の精神的支柱としてモスクを管理し、人々に教えを説く「イマーム(指導者)」の立場は、共同体において絶大な尊敬を集めると同時に、人々を導く重い責任を負っている。

ムスタファもまた、長年にわたって地域の人々をイスラムの教えに従って導いてきたイマームであった。

彼の周囲では近年、静かな変化が起きていた。自身の共同体の中で、少なくない人々がイスラム教から離れ始めていたのだ。指導者である彼にはその理由が分からず、心の奥底でいら立ちを覚えていた。しかし同時に、奇妙なことだが好奇心に近い感情もあったという。そんなある日のこと、彼は息子の部屋で一冊の書物を発見する。それは、彼がこれまで否定し、一度も触れることのなかった書物「聖書」であった。

警戒心と好奇心に背中を押されるように、ムスタファは聖書を手に取って読み始めた。その教えは、彼が長年説き続けてきたような、恐怖と服従に基づく厳格な宗教的義務ではなかった。見返りを求めない神の深い愛、そして罪人をあわれむ言葉がそこには書いてあった。それはイエス・キリストという一人の人物が発する光そのものだった。「読み進めるたびに、この本には真理が書かれていると確信しました」。神の言葉に触れて、彼の心は激しく揺さぶられたのだ。

聖書を読み進めるうちに、彼の目からは、せきを切ったように涙があふれ出した。それは、あまりにも深い悔い改めの涙であると同時に、神の深い愛に触れた喜びの涙であった。彼は自らの深い悲しみをこう告白している。「読み続けると、目から涙が止まりませんでした。自分の人生の中で、今までどれほど多くの人を誤った方向に導いてきたか分かりません。私はずっと真の神に背を向けて生きてきたことが分かりました」。地域の指導者として人々から尊敬を集めてきた彼の過去の誇りは、キリストの真理の前に完全に打ち砕かれたのだ。

ムスタファの心には新たな、そして燃えるような渇望が芽生え始めていた。「私は、この本が語る真理を人々に教えることができるように、もっと深く学びたいです」。彼は今、キリストの言葉によって人々を解放したいと願っている。イスラムの指導者という地位を捨てることは、共同体からの完全な追放を意味し、場合によっては自らの命すら危険にさらす重い決断となる。それでもなお、彼の魂は、キリストの真理の光へと力強く引きつけられるのだ。

聖書は言う。

神のみこころに添った悲しみは、後悔のない、救いに至る悔い改めを生じさせますが、世の悲しみは死をもたらします。(Ⅱコリント7:10)

ムスタファが経験した悲しみと悔い改めは、いのちへと至るみこころに添ったものだ。

ムスタファと、その前途のために祈ろう。彼に芽生えた信仰が、イエス・キリストに固く根差し、成長するように。彼の命と安全、そして聖書を隠し持っていた彼の息子と家族全員が、神の強力な御手によってあらゆる危険から守られるように。かつてイマームとして歩んでいた彼が、今度は自らが変えられた証しをもって人々にキリストの福音を大胆に語る器として力強く用いられるように祈っていただきたい。

■ スーダンの宗教人口
イスラム 61・4%
プロテスタント 14・8%
カトリック 10・7%
土着宗教 11・1%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:スーダン
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