第50回日本カトリック映画賞の受賞作品が、呉美保(オ・ミポ)監督の「ふつうの子ども」に決まった。同賞を主催するシグニスジャパン(カトリックメディア協議会)が10日、ホームページで発表した。
「ふつうの子ども」は、10歳の子どもたちが織りなす人間ドラマを描くとともに、彼らの目を通じて見える大人たちの姿を描いた作品。「そこのみにて光輝く」(2014年)と「きみはいい子」(15年)でタッグを組んだ呉監督と脚本家の高田亮による最新作。
シグニスジャパン顧問司祭の晴佐久(はれさく)昌英神父は、授賞理由の中で、子どもの普段の姿を映画作品として撮影することの難しさを指摘しつつ、「子役の演じる劇映画でありながら、ドキュメンタリーよりも子どもの真実を映し出すという、不可能に近い二刀流を成功させた奇跡の作品」と絶賛している。
また、「心を入れ替えて子どものようにならなければ、決して天の国に入ることはできない」(マタイ18:3)と語ったイエスの言葉を引用。子どもを「悲しいほど弱くて、美しいほど愚かで、しかしまっすぐに愛する」存在だとしつつ、「『ふつうの子ども』は、まさしく『天の国』を垣間見させてくれる映画」と述べている。
主人公は、両親と親子3人で暮らす小学4年の上田唯士(ゆいし)。同じクラスの三宅心愛(ここあ)が最近気になるようになり、環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を上げる彼女に近づこうとする。一方、心愛はクラスの問題児、橋本陽斗(はると)に引かれている様子。そんな3人が始めた「環境活動」が思わぬ方向に転がり出し、大人たちを巻き込んでいく──。
唯士は嶋田鉄太(てった)、心愛は瑠璃(るり)、陽斗は味元耀大(みもと・ようた)と、メインの3人は子役俳優たちが演じる。一方、彼らのクラスメイトは全てオーディションで選び、呉監督と共にそれぞれのキャラクターを作り上げていったという。
その上で、唯士の母親役は蒼井優、心愛の母親役は瀧内公美、そしてクラスの担任教師役は風間俊介と、子どもたちを取り巻く大人たちは、実力のある俳優たちが演じている。
日本カトリック映画賞は、前々年の12月から前年の11月までに公開された日本映画の中から、カトリックの精神に合致する普遍的なテーマを描いた優秀な作品に贈られる賞。1976年に創設され、これまでにアニメ版「火垂(ほた)るの墓」(88年)や、「博士の愛した数式」(2005年)、「おくりびと」(08年)などが受賞している。昨年は「侍タイムスリッパー」(安田淳一監督)が選ばれた。
7月5日には、上映会を兼ねた授賞式を暁星(ぎょうせい)学園講堂(東京都千代田区)で行う。作品の上映後には、呉監督と晴佐久神父の対談も予定している。チケットの購入など詳しくは、シグニスジャパンのホームページを。
■ 映画「ふつうの子ども」予告編

















