バングラデシュの首都ダッカ。世界でも有数の人口密度を誇るこの大都市に5年前、ルパルと彼の弟は仕事を求めてやって来た。彼らは安価なアパートを見つけ、他の5人の男たちと狭い部屋で共同生活を始めた。その同居人の中に「どこか他の人とは違う」と感じる男がいることにルパルは気が付いた。(※登場する人物は仮名となる)
アラヴ(「平和な者」の意)という名のその男は、その名前の通り非常に穏やかな男だった。彼は決まって、他人の悪口を言わない人物だった。ある時ルパルは、アラヴがいつも「インジール(新約聖書)」を読んでいることが分かった。当初ルパルは、そんな本は読まないようにとアラヴを説得した。しかし、アラヴの答えは意外なものだった。
「インジールは他の本とは違うんだ。これを読むと、まるで一人の人が自分に向かって話しているように感じるんだよ。それも、自分のことを何でもよく知っている人が話しかけてくるような感覚なんだ。この本は決して変わらない。でもこの本は君を変えることができるんだ!」
その言葉に興味を持ったルパルは、アラヴからインジールを借りて読み始めた。驚いたことに、ルパルはすぐにアラヴの言葉が真実であることが分かった。特に、マタイの福音書5章から7章に記された「山上の垂訓」を読んだとき、ルパルはこれまでに聞いたこともないこの美しい教えに衝撃を受けた。
「群衆はその教えに驚いた。イエスが、彼らの律法学者たちのようにではなく、権威ある者として教えられたからである」(マタイ7:28、29)が目に留まった。イエスは他の教師たちとは違い、圧倒的な権威をもって「神への真っすぐな道」を示していた。敵を赦(ゆる)し、人ではなく神に従うという教えに、ルパルはこれが真理であると確信したのだ。
ルパルはイエスに従う決心をし、ほどなくして彼の弟もイエスを信じた。現在その狭いアパートでは同居していた7人全員がイエスに従い、共に聖書を読み、キリストの愛に生きるコミュニティーへと変えられている。彼らは今周囲のベンガル人たちに対し「インジールは(イスラム教徒が主張するように)捏造(ねつぞう)・改ざんされた本ではない。むしろ、人を根本から変えてしまう素晴らしい本だ」ということを、自らの生き方を通して証ししている。
バングラデシュのために祈ろう。ルパルたちの小さな群れが、周囲のベンガル人たちに力強いキリストの愛を証しし続けることができるように。聖書を手に取り始めた人々が、聖霊の働きによって「自分をよく知っているお方」との人格的な出会いを経験できるように。そして、イスラム教が支配的な社会の中で、イエスに従う者たちに主の守りと導きが豊かにあるよう祈っていただきたい。
■ バングラデシュの宗教人口
イスラム 89・0%
プロテスタント 0・5%
カトリック 0・2%
ヒンズー 9・1%
仏教 0・6%
土着の宗教 0・5%
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