カリブ海の一角に浮かぶ美しい島国、トリニダード・トバゴ。この国は人口の約3分の2(65・6%)がキリスト教を信仰すると公言しており、数字の上では立派な「キリスト教国」に見える。ところが、実情は手放しに喜べる状況ではない。神の御言葉に忠実に従う「真の弟子」は、決して多くないのが実態だ。そこには霊的な空洞化があるのだ。
この国の教会が抱える最大の問題は、信仰の形骸化と、異教的価値観との「混合(シンクレティズム)」である。多くの信者の信仰は名ばかりであり、カリブ海地域特有の魔術やアフリカ系の精霊信仰(スピリチュアリズム)、さらにはインド系移民がもたらしたヒンズー教的な世界観によって汚染されてしまっている。
「日曜日には教会で賛美を歌い、平日は呪術や精霊に頼る」といった霊的な二重生活がまん延しているのだ。その結果、キリスト者の共同体の内部においてさえ、家庭生活や倫理道徳において「キリストの主権」が全く実証されていないという痛ましい実態がある。聖書の絶対的な権威よりも、土着信仰や御利益信仰が優先されてしまっているケースが少なくないのだ。
今、この国に決定的に不足しているのは「正しい聖書教育」だ。この霊的混乱を打ち破るためには、より深い神学的な訓練と、聖書に基づいた「弟子訓練」の在り方を根本から育成することが急務となっている。
しかし、暗闇の中にも希望はある。少数ではあるが、世の風潮に流されず、純粋に神を喜ばせようと生きる忠実な信者たちが残されているのだ。
トリニダード・トバゴのために祈ろう。魔術や異教的価値観との混合から教会の純潔が守られ、全ての教派において真の情熱と聖さが回復されるように。牧師やリーダーたちが正しい聖書の真理を教え、信徒たちをキリストの真の弟子へと訓練する知恵と力が与えられるように。そして、神の言葉に忠実に歩む少数の残りの者たちが、この美しい島国の霊的な空気を変革する世の光と地の塩として用いられるように祈っていただきたい。
■ トリニダード・トバゴの宗教人口
プロテスタント 24・0%
単立 12・0%
カトリック 22・0%
聖公会 5・8%
イスラム 5・8%
ヒンズー 21・6%
無宗教 3・6%
◇

















