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神の憐れみ 穂森幸一

2025年5月15日12時47分 コラムニスト : 穂森幸一
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主は情け深く、正しい。まことに、私たちの神はあわれみ深い。主はわきまえのない者を守られる。私がおとしめられたとき、私をお救いになった。私のたましいよ。おまえの全きいこいに戻れ。主はおまえに、良くしてくださったからだ。(詩篇116:5〜7)

私たちの心は、信仰の故に安定しているつもりでいますが、日常のちょっとした出来事で揺れ動く弱さを持っています。私は今年の春、定期健康診断を受けたとき、胸に雑音がすると言われました。そして丁寧に診察した医師から「心臓の大動脈弁に異常があります。専門医に診てもらって、精密検査を受けてください。手術の可能性もありますから、できるだけ大きい所がいいでしょう。国立病院を勧めます」と言われました。

奈落の底に落ちるとは、こういう心境なのかと思いました。投げやりの気持ちや諦めの心境が交錯しました。大病院に足を踏み入れる勇気がなく、1カ月以上、予約できませんでした。妻に背中を押されて、やっとの思いで予約し、検査を受けました。

診断の結果、僧帽弁閉鎖不全症ということが分かりました。血液を押し出す際に、逆流している部分があるということでした。しかし、検査データを見ながら、医者が首をかしげました。確かに大動脈弁に異常があるのに、心電図も異常はないし、不整脈も見られないというのです。他の臓器がかばっているのか、支え合っているのか知れないが、珍しいと驚いていました。結局、半年後に再検査してから、手術するかどうか決めようということになりました。

医者の説明を聞きながら、「主が憐(あわ)れんでくださっている。主が守ってくださっている」という思いが浮かびました。私が体の不調に気付かなくても、主なる神が守り支えておられるのだと思うと、心が熱くなり、涙が出そうになりました。

主キリストは、「祈って求めるものは何でも、すでに受けたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになります」(マルコ11:24)と教えておられます。主は、私たちの祈りに確実に応えてくださいますが、一番聞かれる祈りは、自分のためではなく、他者のための祈りです。誰かが、私のために祈ってくださっていることを感じました。祈りは時空を超えて働きますので、決して祈りが無駄になることはないのです。

最近の政治情勢を見て歯がゆく思っているのは、私だけではないと思います。テモテへの手紙第一2章1節では、政治を行う者のために祈るよう勧められていますが、祈るのをやめようかと思うような心境になることがあります。どうして自国民ファーストではなく、某国優先なのか。一部の人の利権が先行するのかなど、不信感が湧いてきます。また、なぜ一部の声の大きい活動家に振り回されるのか、挙げれば切りがありません。

日本の国は、世界でも類を見ないほどの危険な状態に置かれていると言っても過言ではありません。核兵器を持つ3つの独裁国家に接しています。いつウクライナと同じような惨状が日本に降りかかってもおかしくない状況です。それなのに、国会で国防が真剣に論じられたという話は、聞いたことがありません。

国会議員の中には、かなりの帰化人も入っているといわれます。たとえ帰化人であっても、私たちと同じような心を持っていたら大丈夫ですが、ほとんどの帰化手続きはあまりにもあっさりしているそうです。帰化する人が心配になって「私の気持ちは確かめなくていいのですか」と聞いたそうです。係官は「書類が整っていたら、それで結構です」と答えたそうです。

私は日本が現在、平和な状態を保てているのは、政治が優れているからではなく、ラッキーなだけだと思います。ただ神の憐れみのおかげで、安全で無事であることを日本の国民は認識しなければなりません。

今日の日本に欠けているのは、外交交渉力だと思います。トランプ政権が世界同時関税をかけてきたときに、「わが国だけは特別扱いを」とか「お目こぼしを」などと訴えているのは、外交ではありません。日露戦争を終結させたときの外交力、不平等条約を撤廃させた明治の外交官のような働きを今日見ることができないのは残念です。

グローバリゼーションの波に乗って、世界の分業体制が進んだ結果、世界の工場がC国に集中し、大きな富を生み出しました。独裁国家がその富を手にしたとき、軍事予算の膨張、他国への侵略に注力するようになりました。世界の指導者がその危険性に気付き、C国包囲網が作られました。トランプ関税はその一環だと思えば納得できます。その政策に理解を示し、協力すれば、関税引き下げもあり得ると思いますが、現状では何の効果もありません。

米国はドルを発行し、そのドルを世界中が貿易取引通貨として用いてきました。当然、ドル発行国には多大な利益があったはずです。世界の資源と物資が米国に集まり、その特典を享受していましたので、貿易不均衡を持ち出されても、世界が困惑してしまいます。それを正していくのが外交なのではないでしょうか。

たとえ関税がかかったとしても、米国での日本車の優位性は変わらず、多少値上がりしても、日本車を選ぶ人は増えているといわれます。日本の部品に依存している米国車のメーカーは関税に困惑し、生産を中断している所もあります。全ての状況を見極める政治家がいたら、優位に交渉を進められると思うのですが、どうでしょうか。

日本の平和を維持する正しい方向にリードする真のリーダーが誕生するように、神の憐れみのうちに心して祈らなければと思います。

神はモーセに、「わたしは自分のあわれむ者をあわれみ、自分のいつくしむ者をいつくしむ」と言われました。したがって、事は人間の願いや努力によるのでなく、あわれんでくださる神によるのです。(ローマ9:15、16)

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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