山口県下関市にある「めぐみ幼稚園」の第2園舎で2日午前10時半ごろ、火災が発生した。火は約1時間後に消し止められ、けが人は出ていないという。第2園舎は旧宣教師宅で、2007年に国の登録有形文化財に登録された建物だった。
NHKやテレビ西日本などの報道によると、出火当時、敷地内では雑草を燃やしていたとされ、火が建物に燃え移ったとみられている。
めぐみ幼稚園のホームページによると、同園は1952年に日本バプテスト連盟下関バプテスト教会の付属幼稚園として設立。その後、84年に学校法人めぐみ学園運営の幼稚園として認可された。75年には、イタリア人女性医師・教育家のマリア・モンテッソーリが20世紀初頭に考案した「モンテッソーリ教育」を導入。以来、約半世紀にわたって同教育に取り組んでいるという。
山口近代建築研究会によると、火災に遭った第2園舎は、下関バプテスト教会に派遣された宣教師のための住宅として、長崎から1916年ごろに移築されたと伝えられている。宣教師宅の後には、福音書店として使用された時代もあったという。
なお、第1園舎は下関バプテスト教会の旧会堂が使用されている。同研究会によると、キリスト教の信徒伝道者で建築家として著名なウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した山口県唯一の建物だという。1930年に建設され、第2園舎と同じく2007年に国の登録有形文化財に登録されている。