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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(46)「ユダヤ人たちの対応」―ラザロの復活(6)― 臼田宣弘

2024年2月28日10時15分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ「ラザロの復活」(米キンベル美術館所蔵)
ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ「ラザロの復活」(米キンベル美術館所蔵)

今回は、11章45~57節を読みます。

分かれるユダヤ人たちの対応

45 マリアのところに来て、イエスのなさったことを見たユダヤ人の多くは、イエスを信じた。46 しかし、中には、ファリサイ派の人々のもとへ行き、イエスのなさったことを告げる者もいた。47 そこで、祭司長たちとファリサイ派の人々は最高法院を召集して言った。「この男は多くのしるしを行っているが、どうすればよいか。48 このままにしておけば、皆が彼を信じるようになる。そして、ローマ人が来て、我々の土地も国民も奪ってしまうだろう。」

ユダヤ人の多くは、イエス様がラザロを復活させたことを見て、イエス様を信じました。これまでヨハネ福音書が伝えていたユダヤ人たちは、イエス様に敵対する人たちか、イエス様のなさった奇跡を見て、その超人的な力に対しては信仰を持った人たちでした。しかし、ここでラザロの復活を見てイエス様を信じたユダヤ人というのは、真の意味で信じた人たちであったと私は思います。

前回お伝えしましたが、小説『罪と罰』の中で、娼婦ソーニャに「彼らはもうじき、一分後には、雷にうたれたようにひれ伏し、号泣し、信じるようになるのだ」と言わしめたユダヤ人たちは、「ラザロの復活」というメッセージの中では、やはり心から「イエス様を信じた」人たちであったと思えるのです。その意味では、彼らはラザロが復活したことによって、「イエス様はメシアだ」と確信したマルタとマリアに等しい信仰体験をしたわけです。

20章31節にある「これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じて、イエスの名によって命を得るためである」という、ヨハネ福音書の目的のために、福音書の読者もまた信じるようになるために(『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフがまさにそうでした)、伝えられている記事だと思うのです。

ジャン・カルヴァンもそういった線に沿った解釈をしていますので、カルヴァンの注解を転載しておきます。

かれは、こう言おうとしているのだ。ここに語られているひとたちは、キリストの神的な力を讃嘆し崇敬し、服従してかれの弟子たちとなった、と。そうでなければ、奇跡それ自体では、信仰をもつのに十分ではあり得なかったろう。だから、この信ずるという語は、ここでは、キリストの教えをうけ入れる従順さと敏速さ以外の意味にとってはならない。(『カルヴァン・新約聖書註解Ⅳ ヨハネ福音書(下)』389ページ)

カルヴァンはこう書いて、イエス様を信じたユダヤ人たちを称賛しています。しかし、ユダヤ人の中には、イエス様を信じるのとは正反対の動きをする人たちもいました。彼らは、イエス様がラザロをよみがえらせたことを、ファリサイ派の人たちのところに行き、告げ知らせたのです。

ファリサイ派の人たちと祭司長たちは、最高法院を招集してこの事態について協議しました。彼らはこのまま放っておけば、当時ローマの植民地であったユダヤでカリスマ的な能力者が大衆を引きつけているという話が伝わり、ローマ軍が制圧に来るかもしれないと考えたのです。

大祭司カイアファの発言

49 彼らの中の一人で、その年の大祭司であったカイアファが言った。「あなたがたは何も分かっていない。50 一人の人が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済むほうが、あなたがたに好都合だとは考えないのか。」 51 これは、カイアファが自分から言ったのではない。その年の大祭司であったので預言をして、イエスが国民のために死ぬ、と言ったのである。52 国民のためばかりでなく、散らされている神の子たちを一つに集めるためにも死ぬ、と言ったのである。

そこで大祭司カイアファが立って、「イエス一人が殺されれば、われわれは滅びないで済む」という内容のことを言います。カイアファは、これを自分の意志で言ったつもりでしたが、実はそうではなかったのです。イエス様が殺されることは、ユダヤ民族のためだけではなく、全ての国民、また散らされている人たちをも一つに集めるためであったのです。カイアファの思いを超えたところに神様の経綸(けいりん)があったのです。

イエス様を殺そうとたくらむ

53 この日から、彼らはイエスを殺そうとたくらんだ。54 それで、イエスはもはや公然とユダヤ人たちの間を歩くことはなく、そこを去り、荒れ野に近い地方のエフライムという町に行き、弟子たちとそこに滞在された。

こうした経過で、イエス様はラザロを復活させた日から、殺そうとたくまれるようになります。命を与えたために、命を捨てなければならないことになるのです。まさに「私が来たのは、羊が命を得るため、しかも豊かに得るためである。私は良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる」(ヨハネ福音書10章10~11節)という言葉が実践されていくのです。

こうした状況のため、イエス様は弟子たちとサマリアのエフライムという町に行き、そこに滞在されることになります。10章22節以下の神殿奉献記念祭のことを重ね合わせるならば、これは恐らく2月から3月初旬ごろのことではないかと思います。

過越祭が近づく

55 さて、ユダヤ人の過越祭が近づいた。多くの人が身を清めるために、過越祭の前に地方からエルサレムへ上った。56 人々はイエスを捜し、神殿の境内に立って互いに言った。「どう思うか。あの人はこの祭りには来ないのだろうか。」 57 祭司長たちとファリサイ派の人々は、イエスの居所が分かれば届け出よと、命令を出していた。イエスを逮捕するためである。

春になり、過越祭(3月末~4月)が近づくと、ユダヤ人たちは異邦人との交わりによって生じた、汚れをはらうための身の清めに参加するため、エルサレムに集まりました。人々は「あの人(イエス様)はこの祭りには来ないのだろうか」とささやき合っていました。当局からイエス様に対する逮捕状が出ていました。

今、教会暦においては、レント(受難節)の真っただ中にあります。ラザロを復活させたことによって、ご自身の命が狙われることになったイエス様を偲んで歩んでまいりたいと思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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