「帯に短したすきに長し」ということわざがあります。意味は、端的に「中途半端」なことです。丈の長い布があるので帯として使おうとしますが、丈が足りないのでしっかりと結ぶことができない。かといってたすきとして使うには長過ぎて、邪魔になって役に立たないさまを表しています。
この「帯に短したすきに長し」ということわざは、帯とたすきから転じて、人や状況にも当てはめて使われることがあります。中途半端で役にも立たず、使い道がないことを指します。
「帯に短したすきに長し」のことわざが想定される長さは約3メートル。実際に帯として必要な長さは3・5〜4・5メートルほどです。一方、たすきに想定される長さは2〜2・5メートル。3メートルもあると、長過ぎて邪魔になります。
「帯に短したすきに長し」の対義語に「大は小を兼ねる」というものがあります。小さい器に中くらいのものを入れることはできませんが、大きな器ならば中くらいのものを入れることができます。
車に例えるならば、「大は小を兼ねる」は良いです。普通の5人乗りのハイエースは小型乗用車を兼ねることができます。荷物もたくさん積めます。しかし、14人乗りのハイエースはどうでしょうか。大き過ぎて車庫に入らない。運転が難しい。燃費が悪い。普通免許では運転ができない。
そんなとき、どうしたらよいでしょうか。
1. 14人乗りハイエースを売って、5人乗りハイエースに買い替える。
2. 別の広い車庫を確保し、中型免許を取り、たくさんの友達を乗せてドライブに行ったり、たくさんのキャンプ用具を積んでキャンプに行ったり、8ナンバーに改造して車中泊使用にしたり、何か自分の趣味や目的に合う形に改造する。
3. 放置しておく。
などなど、幾つかの選択肢があります。
人生において、自分自身や家族、一緒に働く人の中で「帯に短したすきに長し」のような人がいるかもしれません。そんなとき、どうしたらよいでしょうか。
1. 与えられている人や状況に感謝する。
2.「帯」に短過ぎるならば、半分に切って2つの「たすき」にして使うことができるように、神の知恵を祈り求めて工夫する。
結局のところ、神様の中で不要なもの、役に立たないものなどないのです。神は「わたしに祈りなさい」と言わんばかりに「帯に短したすきに長し」のような人をあなたの周りに置かれたり、物や状況を与えられることがあります。
神はあえてそういう状況を与えることによって、神に目を向けさせ、神に頼らせようとしておられるのではないでしょうか。神に祈るならば、思いもよらない知恵が与えられ、驚きや感動に満ちた結末が待っています。
だからまず、神に感謝することです。そして、神に祈りましょう。
【新改訳】「わたしがしていることは、今はあなたにはわからないが、あとでわかるようになります」(ヨハネ13:7)
【文語訳】「わが為すことを汝いまは知らず。後に悟るべし」(ヨハネ13:7)
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