ユダヤ教のタルムードには、「世界で一番幸せな人は、感謝しながら生きる人である」と書かれています。感謝しながら生きる人は、感謝しないで生きる人より幸せであり、健康です。
体は感情に敏感に反応するので、感謝しないと不幸になり、病気にかかりやすくなります。感謝すると脈拍が安定し、胃腸の働きが良くなって消化を助けてくれるので、気分もさわやかになり、健康になるそうです。
昔の人は、今よりずっと短命でした。平均寿命が50歳を過ぎるようになったのはここ100年のことです。
15~18世紀のフランス人の平均寿命は25歳、19世紀の欧州人の平均寿命は35歳、20世紀初頭の米国人の平均寿命は45歳だったそうです。
今日、平均70〜80歳まで生きられることは感謝なことです。しかし、長生きできるだけではなく、健康で長生きできたらもっと素晴らしいです。
米国のスタンリー・タンは事業に成功し、大変なお金持ちになったので喜んでいました。しかし、1976年に具合が悪いので病院に行ったら、がんにかかっていて、ステージ3であるということが分かりました。
スタンリーは、良いことは喜んでいましたが、嫌なことには文句を言っていました。しかし、この時から考え方を変えました。がんにかかったことも、神に感謝し始めました。
「神様、病気にかかったことも感謝します。病気で死ぬことになっても感謝します。今まで生かされてきたことに感謝します。生きても死んでも、ただ神に感謝いたします」。このように毎日祈っていると、次第にがん細胞が小さくなり、がんが治ってしまいました。
これを医学で証明することはできないかもしれませんが、少なくとも感謝する心が体の免疫力を上げて、がん細胞を駆除し、死滅させる方向で働いたのでしょう。全体的に大きな目で見たら、神がスタンリーのがんを癒やしてくださったのだと思います。
「彼はさげすまれ、人々からのけ者にされ、悲しみの人で病を知っていた。人が顔をそむけるほどさげすまれ、私たちも彼を尊ばなかった。まことに、彼は私たちの病を負い、私たちの痛みをになった。だが、私たちは思った。彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。しかし、彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた。彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、彼の打ち傷によって、私たちはいやされた」(イザヤ53:3〜5)
第2次世界大戦の終戦後、海軍将校の川上喜一さんは、戦争のトラウマで毎日生きるのがつらかったそうです。喜一とは「一番喜ぶ」という名前ですが、その名前とは反対に「一番不満」を言って、毎日周りの人に当たり散らしていました。
だんだん体が硬直して動けなくなり、難病にかかってしまいました。この症状を見た精神科の医師は「毎日1万回、感謝をしてください」と指導しました。喜一さんは毎日「感謝します」「感謝します」「感謝します」「感謝します」と、ただ口先だけでしたが、感謝をし続けていました。
いつの間にか「感謝します」と口で言うのが習慣になり、口癖になっていました。ある日、息子が柿を2つ持ってきてくれました。喜一さんは、心の底から「ありがとう!」と感謝しました。その頃から、体の調子が良くなり、体の硬直が軟化し、手が動くようになり、完全に健康な体になってしまいました。感謝が健康に関与したことを疑う余地はありません。
米テキサス州にあるMDアンダーソンがんセンターに31年間勤めたキム・イシン博士は「信仰ががん治療に効果がある」と言いました。米国のある教会の一般の信徒と聖歌隊員それぞれの免疫細胞数を調べてみると、聖歌隊員は一般信徒に比べて、おおよそ千倍の免疫細胞があったそうです。
聖歌隊員は、日曜日の礼拝で賛美歌を歌うために、毎日神を賛美し、感謝しながら生きています。そうすることでストレスが緩和され、免疫の力を強化させ、体全体のエネルギーが高められて健康を促進させるとイシン博士は語りました。
米国のデューク大学院のハロルド・コーニックとディビッド・ラーソンの2人の医師は、毎週教会に通って神を賛美する人と、教会に通わない人を比べると、教会に通う人は平均7年間長生きするという事実を発見しました。
ジョン・ヘンリー博士は「感謝は最高の抗がん剤であり、解毒剤であり、防腐剤である」と語りました。「風邪薬より優れた効能がある」と言うのです。もし、今から1分間、感謝し、喜び、笑うと、24時間の免疫システムが構築されるそうです。反対に1分間怒ると、6時間分の免疫システムが壊されるそうです。
ユダヤの格言に、「世界で一番愛される人は、全ての人を褒める人であり、一番幸せな人は、感謝する人である」とあります。「感謝」は健康の扉を開く鍵です。しかし、感謝が体を健康にしていく前に、心を幸せにしてくれます。
今日、感謝という鍵を使って幸せと健康の扉を開いて、その向こうにある世界に入っていきましょう。
「あなたがたはイエス・キリストを見たことはないけれども愛しており、いま見てはいないけれども信じており、ことばに尽くすことのできない、栄えに満ちた喜びにおどっています。これは、信仰の結果である、たましいの救いを得ているからです」(1ペテロ1:8、9)
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい」(1テサロニケ5:16~18)
感謝にあふれた一日でありますように。
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