南アフリカで2022年、モラビア教会とオランダ改革派教会が和解するという奇跡が起きた。
アフリカでの先住民族伝道を最初に着手した教会は、モラビア兄弟団だった。モラビア教会の監督であったツィツェンドルフ伯爵は、ケープ地方のオランダ人入植者がコイ族(ホッテントット)を劣等民族として扱っていると聞き、彼らの共同体のヘルンフートからケープ地方に若い宣教師を派遣した。
1737年に到着したゲオルク・シュミットは、コイ族を集め、聖書を読むことができるようにと、読み書きを教えた。さらに彼らに洗礼を施すと、オランダ改革派教会の強い反発と怒りを買い、オランダ人の入植者たちはシュミ ットを国外追放にしたのだ。
それから約50年後、モラビアの宣教師はようやく南アフリカに戻ることができた。彼らは南アフリカに宣教拠点を設立し、そこからショサ族への伝道も始めた。
南アフリカのキリスト教徒たちは、何年も前から団結と和解のために祈ってきた。人種差別を克服するためだけでなく、1737年にモラビア教会がしてきたことを、神が始められた恵みの業であったと認めるためだ。
オランダ改革派教会は、南部アフリカの先住民の間でモラビア教会が始めたこの初期の宣教の働きを止め、妨害した罪を告白した。それによって両者の間におよそ200年間横たわっていた溝が埋められ、和解がもたらされたのだ。
南アフリカで、神の子どもたちが一致結束して福音宣教に励むように祈っていただきたい。
■ 南アフリカの宗教人口
プロテスタント 58・1%
カトリック 6・0%
正教 0・1%
イスラム 1・7%
ユダヤ教 0・15%