「ビジネスと聖書一口講座」の時間がまいりました。ビジネス牧師の中林義朗です。皆さんお元気ですか。今日のタイトルは、「最も豊かな人生とは」。最も豊かな人生とは、どんな人生だと思いますか。
豊かさとはどういうものでしょうか。お金持ちになること、有名になること、家族が幸せ、そして自分も健康、好きな趣味ができる、家もある、車もある、子どもたちも順調に育っている・・・。どんなことでしょう、最も豊かな人生とは。
皆さんの人生や周りの人々のことを振り返ってみて、自分が思った通りの人生に100パーセントなったという人はどのくらいいるでしょうか。私は少ないように思います。
逆に、計画もしなかった人生を歩むことが多いのではないでしょうか。私もまさかビジネス牧師として、ビジネスをしながら教会の牧師もするようになるなんて、また、このようなコラムを通して、日本語を理解する世界中の皆様に語る時代が来るなんて、想像もしたことがありませんでした。でも、最も豊かな人生となりました。こんな幸せはありません。私は天職に巡り会えたと感謝しています。
ニューヨークにあるリハビリテーション研究所の壁に書かれた詩を、皆さんにご紹介したいと思います。リハビリテーションというくらいですから、がんにかかられた方、けがをされた方、いろんな病気にかかってつらいところを経験し、これからリハビリをして自立していこうという方が入る施設です。その壁に掲げてある詩ですから、皆さんの心に励ましを与え、勇気を与えるような詩ではないでしょうか。それを一つずつ見ていきましょう。
「大きなことを成し遂げるために力を与えてほしいと神に求めたのに、謙虚を学ぶようにと弱さを授かった」
「偉大なことができるようにと健康を求めたのに、より良きことをするようにと病気を賜った」
「幸せになるようにと富を求めたのに、謙虚であるようにと貧困を授かった」
「世の人々の称賛を得ようとして成功を求めたのに、得意にならないように失敗を授かった」
「求めたものは一つとして与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた。神の意に沿わぬものであるにもかかわらず、心に言い表せない願いはすべてかなえられた。私は最も豊かに祝福された」
どうでしょう、皆さん。偉大な人というのは、本当に人の痛みが分かり、人と共に泣け、人と共に喜べる人ではないでしょうか。自分が病気をしたことがない、事業で失敗したことがない、謙虚という言葉を学んだことのない人が、どうして人の上に立つことができるのか、ということでしょうね。私にも富を得た時期があり、逆に、本当にゼロまで落とされたときもありました。そのときは今思えば、神様から「そこを通りなさい。あなたがそのゼロの季節を通らないと痛みが分からない。これから私があなたに与えようとする富を間違って使っては困るから、この苦しみをしっかり通り、1ドルの大切さを学び直しなさい」と教えられた期間でした。
今日の「ビジネスと聖書一口講座」いかがだったでしょうか。ぜひこの詩を何度も読み直してみてください。皆さんが通った失敗や苦しみは、決して無駄ではありません。神様が謙虚さを学ぶように、そして人の痛みが分かるようにとあなたになさったことです。そしてこれから、神様がいよいよ皆さんを用いようと思っていらっしゃるということを、信じようではありませんか。
素晴らしい一日をお過ごしください。またこのコラムで、皆様にお会いいたします。
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