インドネシア内務省の人口・市民登録局と国際キリスト教人権監視団体の最新データによると、インドネシアには現在2040万人のプロテスタント信者と840万人のカトリック信者がいるとされる。両者を合わせると、約2億7200万人の総人口の約11%を占めている(当課題では宣教団体中心に基づくデータで15・85%:こちらの方が実数に近いと思われる)。
2010年の国勢調査では、当時のキリスト教人口は9・87%だったのに対し、1%強の成長を遂げたことになる。一方、インドネシアのイスラム教徒の人口は2億3600万人だ。
インドネシアの憲法は、パンチャシラという建国五原則に基づいており、1)民族主義 2)人道主義 3)民主主義 4)社会正義 5)神への信仰、を指す。
これはオランダから独立を果たしたインドネシアの初代大統領スカルノによって提唱された。この時、彼が多数派に忖度(そんたく)せず、イスラム法による統治を退け、民族主義と民主主義中心の建国を呼び掛けたが故、インドネシアでは信教の自由が認められたのだ。
これによりインドネシアでは、継続的なリバイバルが続いており、イスラム教国でありながら、キリスト教の影響力がアジアのみならず世界規模に拡大している。
当然これにはイスラムからの反発も強く、キリスト教会の建設を妨害する力もある。反対派の圧力により千以上の教会が閉鎖に追い込まれているという。また近年過激化しているイスラムテロリズムによって、イースターなどのキリスト教の祝祭日が標的とされる傾向も見逃せない。
迫害に負けず、たくましく成長するインドネシアの教会が、アジアのみならず世界の教勢を牽引するまでになるよう祈っていただきたい。
■ インドネシアの宗教人口
イスラム 80・3%
プロテスタント 10・8%
カトリック 3・1%
儒教 0・9%
仏教 0・4%
ヒンズー教 1・3%