6月の祈祷課題で、財政破綻によって食糧危機にあることを伝えたレバノンであるが、報道でも周知のように、この国家危機に、首都ベイルートで起きた惨事が追い討ちをかけている。
港の倉庫に保管されていた2750トンにも及ぶ硝酸アンモニウムが大爆発を起こし30万人の家屋が失われ、180人以上の死者と6500人以上の重軽症者が出た。その威力は広島型原爆の10分の1程度とされ、衝撃波は10キロ先の家屋の窓ガラスも粉砕したという。悪いことに爆発は隣接していた港のサイロを直撃し、貯蔵されていた全国民1年分に相当する穀物が失われてしまった。
悲しいニュースだが、驚きを禁じ得ない素晴らしい証しも届いている。
ベイルートにあるライフセンターチャーチのディーブ牧師は、自分でもどういうわけか分からないが、爆発当日、奉仕のために教会に来ていたスタッフやメンバーを慌ただしく「帰りなさい!帰りなさい!今日はとにかく全部キャンセルです!」とそれぞれ自宅に帰るように促したのだ。
驚いたのは教会員たちで「先生、何を言っているんですか? 今日は集まりがあるでしょう? わざわざ長い時間をかけて教会に来たんですよ!」と答えた。しかしディーブ牧師は「お願いだから今日は帰ってください。日曜日にまた来たらいい」と、自分でも何を言っているのか分からない返答をしたという。彼は、まるで聖霊が「帰りなさい!帰りなさい!」と何度も繰り返し語っているかのように感じたという。
ディーブ牧師は続けて「私は、彼らがしている作業を途中でやめさせ、PCを切らせ、その日集会で人々に配給するための料理も中断させたので、教会員も私自身も、自分は気が狂っていると思わざるを得なかった」と語った。
結局彼は、その日の午後34人のスタッフを家に送り届けた。
ベイルート港の倉庫が出火して大爆発を起こしたのは、まさにその日の夕刻だった。爆心地からわずか1・5キロほどの所にあったライフセンター教会は、爆風で窓もドアも跡形もなく吹き飛ばされていたという。
ハレルヤ! 我らの主は生きておられる。主はこの危険をあらかじめ知って、ご自身の民を酷い被害から免れさせるために、ディーブ牧師を用いて教会の予定を突然当日キャンセルさせたのだ。もしあのまま集会を決行していたなら悲惨な結果は免れなかっただろう。
穀物サイロが破壊された今、国家的危機がさらに深刻なレバノンだが、このような素晴らしい証しが用いられ、多くのレバノン人を主に帰依させ、伝道と救霊が進むよう祈ろう。国の危機も、真の神を信じる信仰が働き、彼らを支え、乗り越えられるよう祈っていただきたい。
■ レバノンの宗教人口
イスラム 59・0%
プロテスタント 0・6%
カトリック 23・9%
正教会関係 7・3%