「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞の2019年度受賞者に、東京基督教大学(千葉県印西市)のチャペルなどを設計した建築家の磯崎新(あらた)氏(87)が選ばれた。同賞を主宰する米ハイアット財団が5日、発表した。
磯崎氏は、カテドラル(大聖堂)をイメージして設計したという北九州市立美術館や、日本のポストモダン建築の代表作とされるつくばセンタービルなどで知られ、ロサンゼルス現代美術館や上海交響楽団コンサートホールなど、海外での作品も多数ある。
磯崎氏が設計した東京基督教大学のチャペルは、キャンパスの中庭中央に位置し、約400人を収容可能。礼拝堂と音楽練習室の2棟から成り、礼拝堂はドーム型の屋根2つが接合した形をしており、エントランスホールの小ドームと合わせ、特徴的な外観を持つ。正面には鐘楼になっている塔が立ち、キャンパスのシンボル的な存在になっている。
同大本部棟事務局では磯崎氏の受賞を受け、チャペルの見学希望者の受け付けを行っている。事務局の受け付け対応時間は平日午前9時~午後4時45分。
今年で第46回を数えるプリツカー賞の日本人受賞者は、磯崎氏が8人目。大地震で被災した教会に代えて「紙の教会」や「紙のカテドラル」などを設計したことで知られる坂(ばん)茂氏も2014年に受賞している。授賞式は5月にパリ郊外のベルサイユ宮殿で開かれ、パリでの公開講演も予定されている。