皆さんは、「もうダメだ!」っていうときに、誰かから必死にかばってもらって助かったって体験はありますか?皆さんが窮地に陥ったときに、全力でかばってくれた、そのような恩人が皆さんにはいますか?
さて、よく読んできた小説に『細川ガラシャ夫人』(三浦綾子著)があります。細川ガラシャは、戦国大名の奥方でもあり、あの明智光秀の娘に当たります。有名な本能寺の変で、織田信長公が自害。細川家に嫁いでいたガラシャ夫人(玉子)は、一夜にして謀反人の娘となってしまいます。
当然ながら、謀反人の娘ですから、命を狙われる身です。また周囲も自害を勧めたという説もありますが、彼女は結局、生き延びることができました(2年間、山奥の味土野という所に幽閉されることによってですが)。
さて、実際のところどうであったかは、戦国時代のことでもあり、私は知りませんが、三浦綾子著の『細川ガラシャ夫人』では、明智光秀謀反・織田信長公自害の直後の細川家の様子などが書かれています。
細川家では、ガラシャ夫人(玉子)の夫である細川忠興やその重臣たちが、今後のことなどを話し合っています。それを、ガラシャ夫人(玉子)は盗み聞きしてしまうわけです。なんと、重臣たちは細川家を守るために、謀反人の娘である玉子(自分)をすぐさま追い出せ(別れろ)と主君細川忠興(夫)に迫っている。
しかし、忠興は承知しません。そのうちに、重臣の一人が、細川家を守るために、主君忠興がガラシャ夫人(玉子)と別れると言わないならば、自分たちが主君の妻・玉子を殺すとまで言い出します。どうせ、謀反人の娘として殺されるならば、我々が・・・と言うのです。
その時、明智光秀の娘、玉子は窮地に陥っています。もはや、家中にも味方はほぼ無しです。重臣たちは、玉子を追い出せ、殺せ、自害させろと、夫・忠興に迫っている。それを、一人盗み聞いている玉子の苦しさ、恐ろしさ・・・。
結果、どうなったかというと、あくまでもこれは小説の中の話ですが、重臣たちが玉子を殺せ、追い出せと迫ってくる中、細川忠興は声をうるませて、重臣たちにお願いまでもして、またハッキリと「妻を殺そうとする者は、誰であっても、オレが殺す!」というようなことまで宣言して、妻・玉子をかばい切ります。その忠興の態度、必死さに、重臣たちの心もついに動かされ、謀反人の娘・玉子を殺しもせず、自害もさせず、追い出すこともせずに、味土野に隠して助けようという結論に至るわけです。
最後まで、夫・細川忠興は、主君殺しの娘となってしまった妻・玉子をかばい切ります。そして、玉子は助かるわけですね(小説の中の話ですので、実際どのようなことが細川家であったのかは知りませんが)。
このように、『細川ガラシャ夫人』では、愛する妻をかばい切った夫の姿が書かれています。まさに、実話かどうかは分からないとしても、小説の中に書かれる愛です。
さて、細川忠興、ガラシャ夫人の時代よりは新しい出来事であり、実際にあったことですが、日本が先の戦争で負けて、敗戦国となった際、日本をかばって、日本を助けてくれた人物がいました。
それが、今日ご紹介する蒋介石です。1887年に生まれ、1975年に亡くなった、初代中華民国総統で、長年、国家元首の地位にあった偉大な政治家、軍人です。
蒋介石は、たえず聖書に親しんで、聖書をかなり読んでいたようです。その蒋介石が、敗戦国・日本を助けてくれたのです!詳しくは述べませんが、蒋介石は、敗戦国となった日本という国を本当に助けてくれた人物でもあり、終戦後多くの日本の人々を助けてくれた人物でもあります。
日本がポツダム宣言を受諾した日、1945年8月14日に、蒋介石は自国の国民に対してこのような演説をしてくれたのです。
「私は、『人を待つにおのれを待つがごとくす』及び『なんじの敵人を愛せよ』という二つの言葉を想起し、無限の感慨を覚えるのである。同胞よ、旧悪をおもわず、人のために善をなすということは、わが民族伝統の至尊至貴の徳性であって、我等は一貫して、日本人民を敵としないと声明してきた。いまや敵軍は我等と盟軍とのために打倒された。我等は当然厳格に降伏条件を執行せねばならないが、報仇を企図してはならない。ことに敵国・・・の人民を侮辱してはならない。我等はただ彼等に憐憫を表示し、・・・。もしも暴行をもって敵人の従来の暴行に回答し、侮辱をもって彼等の従来の誤った優越感に回答するならば、冤は冤と相報じ、永(とこ)しえに終止するところはないであろう」
蒋介石のこの演説ゆえに、大きな力が日本人たちに働きました。蒋介石のこの演説は、多くの日本人を助けてくれたのです。200万以上の日本兵や日本の民間人が早く帰国できるようにされ、また食料なども支給されたといいます。(『100人の聖書』143~145ページ参照)
蒋介石の愛の判断、愛の言葉が多くの多くの日本人を助けてくれました。その中には、皆さんのご先祖に当たる人たちも含まれているかもしれません。
蒋介石のように、皆さんも置かれた場で、任された仕事の中で、与えられている権限をもって、愛の判断、愛の宣言をしてみませんか。誰か一人でもいいから、助けてあげることのできる者になりたいですね。
例えば、誰か一人でもいいから、自分の責任をもって、または、自分の発言ゆえに保護してあげる、逃がしてあげる、そんな人間になりたいですね。ちょっとした勇気があればできることかもしれません。
蒋介石はその立場とその宣言によって、私たちの国・日本を助けてくれましたし、多くの日本人を助けてくれました。蒋介石のしてくれたことによって、今の日本があり、私たち日本人がいるわけです。
もし、蒋介石が動いていなければ、日本は米国やロシアや英国、中国によって分割されていて、皆さんはロシア人、もしくは英国人、またまた米国人か中国人として生まれていたかもしれません。蒋介石は日本という国、また、多くの日本人を助けてくれました。
また、映画「シンドラーのリスト」(1993年公開。米国作品)のドイツ人実業家であるオスカー・シンドラーは、全力でユダヤ人をかばい、1100人以上のユダヤ人の命を助けました。
それから、私たちと同じ日本人で、1940年の夏に、本国の外務省からの命令に反してまでも、ユダヤ人を助けるため、大量のビザを発給した杉原千畝という偉大な人物がいました。彼が発給したビザによって6千人以上ものユダヤ人系難民が助かったのです。
蒋介石のような立場にはいないので、何百万人という人を助けることはできなくても、オスカー・シンドラーのように千人以上を助けるお金や人脈がなかったとしても、また、6千人を助けた杉原千畝のようにビザを発給できる立場にいなくても、今皆さんがいる場所で、そして皆さんの立場でできることがあり、また助けることのできる人が絶対にいるはずです。
また、皆さんにしか助けることのできない、かばってあげることのできない人が絶対にいるはずです!
皆さんの後輩や部下の方が困っていても、篠原はその人のことを知りませんから、助けに行くことができせん。百歩譲って、篠原が助けに行こうとしても、皆さんの会社や学校に何の関係もない私が、皆さんの職場や学校に入ることができません。
皆さんなら、できます。皆さんだからこそ、できます。絶対に、周囲にいるはずです。皆さんの助けを必要としている人が。ぜひ今日は、そんな意識を持って「誰だろう、私の助けを必要としてるのは・・・」と探してみてください。
そして、最後ですが、絶対にお伝えしたいことがあります。それは、キリストの神様のことです。ありがたいことに、聖書全体を読んでいて分かることは、キリストの神様は、あなたを愛してくださっているということです。
そして、キリストの神様は、皆さんがクリスチャンになるならば、特別に扱ってくださるというのです。そこらへんの神社仏閣の神々は、動くこともできず、しゃべることも、歩くこともできませんよね。でも、目に見えない、キリストの神様は今も生きていて、どこにでもいて、どんな人のことをも愛してくださっていて、どんな人にも良くしてくだる、本当の唯一の神様なのです。
そして、クリスチャンのことは、特別に愛し、特別に扱ってくださるお方なのです。今日、知ってください。キリストの神様は、今も昔も永遠に存在して、すべての人を愛しています。
そして、すべての人を創造されたお方です。あなたは、たまたま両親の性の営みによって誕生した偶然の存在ではなくて、キリストの神様のご計画ゆえに生まれてきた尊い存在です!
クリスチャンになって、キリストの神様だけを礼拝する。排他的という生き方ではなく、本当に正しい道です。自分を創ってくださったお方、その自分を創ってくださったお方に感謝をし、そのお方を唯一の神様として信じ、認めて、その神様だけを拝するのは、人間として当然のことで、人間の本来あるべき姿ではないでしょうか?その当然のことを、クリスチャンはします。
そのことをするからこそ、キリストの神様も、クリスチャンには特別にしてくださるわけです。
三浦綾子著『泥流地帯』には、主人公の兄として拓一という人物が出てきます。小説の中の人物なのですが、スゴイ男です。弟のため自らを犠牲に大怪我をし、家族を助けるために死を覚悟して泥流に飛び込む、とにかく正しくて、愛と勇気のあるスゴイ人物なのです。
そんな彼は、小さい頃から一緒にいた、福子という女の子を愛し続けます。福子はある時、親の借金ゆえに、ある店に売られてしまいます。そして、店で毎晩男たちの相手をさせられているのです。でも、拓一はその事実を知りながらも、男たちの玩具のようにされている福子の事情を知りながらも、それでも福子を捨てず、諦めず、結婚を本気で願うほど愛し続けるのです。
キリストの神様は、クリスチャンを特別に扱うお方で、クリスチャンのことは特別に愛しているということを先ほど述べました。でも、キリストの神様は、拓一が、まさにその瞬間も店で自分以外の男の相手をさせられている福子を愛しているように、今もこの瞬間、クリスチャンでない皆さんのことも確かに愛しておられます。
皆さんがクリスチャンでなくても、確かに皆さんはキリストの神様に創られた存在で、そのあなたのことを、キリストの神様は今この瞬間、あなたがどんな状態であっても愛してくれています。
そして、愛しているからこそ、もっと自由になってほしい、もっと解放されてほしい、祝福されてほしいと願っているのです。あなた以上にあなたの幸せを願っているのは、キリストの神様です。それは、あなたを確かに愛しておられるからです。
そして、もう今のあなたには自分自身を幸せにすることができなくても、あなたを創られたキリストの神様には、あなたを幸せにすることができて、しかも、そうしたいと思われてもいるのです。
キリストの神様は、あなたの人生を本当に良いものにすることがおできになるのです!あなたが、キリストの神様のもとに立ち帰り、クリスチャンとなって生きていくならば、あなたは今以上に幸せになれます。
あなたにはできなくても、何でもできるし、しかも、あなたを愛している、キリストの神様にはできるのです。なぜなら、あなたでもなく、篠原元でもなく、そこらへんの社長、政治家、漫画家、俳優、医師でもない、唯一本物の神であるキリストの神様だからです!
偉大な政治家であった蒋介石、実業家オスカー・シンドラー、外交官杉原千畝、これらの人物があなたをかばってくれる人だったとしたら確かにスゴイですね。興奮ものですよね!もしもの話ですが、これらの3人のうちの1人でも、皆さんの「専属助け人」となってくれたら、これは力強いことではないですか?
でも、キリストの神様が、あなたの味方、助け主、弁護者となってくださる、これ以上に力強いこと、安心できることはありませんよね。それくらい、スゴイことなのです。クリスチャンになることは。キリストの神様が、あなたの味方になってくださり、あなたに最高の幸せをくださるわけです。
そして、それくらい、スゴイことを得る方法、クリスチャンになる方法は簡単です。ただ、あなたがこのように信じて、宣言するだけでいいのです。
イエス・キリストは、約2千年前に十字架にかかって血を流して死にました。なぜかというと、人間(篠原、そして、皆さん全員)にはいろいろ罪がありますよね。罪とは、神様に逆らうことで、詳しく言えば、聖書に書かれている命令に反することです。よって、不倫も婚前交渉も初詣もご先祖様を拝むことも罪となります。
そして、その罪があったままでは人間は幸せになれませんし、何より、裁かれて、いつか滅び(地獄)の道しかありません。
でも、キリストの神様は、すべての人(あなた)を愛しているので、なんとかして、すべての人(あなた)に幸せになってもらいたい、地獄への道ではなく、天国への道を歩んでもらいたいと願っておられるので、なんと、神であるイエス・キリストをこの地上に約2千年前に送り、私や皆さんの罪の刑罰を身代わりにイエス・キリストに受けさせたのです。
皆さんを救うために、皆さんが今まで犯してきた罪や今この瞬間犯している罪、そして、これから犯すであろう罪の刑罰を全部、イエス・キリストが身代わりとなって背負ってくださり、十字架上で血を流して死んだのです。あの、有名な歴史上の事実でもある、イエス・キリストの死は、実は、あなたのための身代わりでした。
そして、イエス・キリストは、死んで終わりではなくて、3日目に復活することにより、死に勝利して、あなたのために成すべきことのすべてを成し遂げてくださいました。
よって、あなたが信じるのであれば、あなたはイエス・キリストがしてくださったことによって、すべての罪の赦(ゆる)しを受けて、イエス・キリストのように勝利する者とされ、今死んでも大丈夫、天国へ行けるようになるわけです。
最後に簡単に申します。今すぐ、クリスチャンになりたいという方は、以下のことを心の中で信じてください。読んでください。そして、最後のところは、声に出して宣言してください。そうしたら、あなたはクリスチャンです。
「私は、イエス・キリストが私の罪のために十字架にかかって死んでくださったこと、そして、私を救うために、イエス・キリストは3日目に復活してくださったことを信じます」
このように本当に信じて、次のことを告白してください。
「イエス・キリスト様が唯一の神様です。他には神はいません!私は、イエス・キリスト様だけが神様であり、主であり、私を救ってくださるお方であると信じます」
修業する必要もありません。何百万とお金を教会に持ってこないといけないということもありません。品行方正にしていないといけないと言うこともありません。タバコをやめないと救われないと言うこともありません。
あなたが、先のことを本当に信じ、そして、その次のことを本当に告白したならば、それだけで、その瞬間にクリスチャンなのです。
さあ、今日から、新しい日々の始まりです。クリスチャンとなった方は、キリストの神様に特別に愛され、特別に扱ってもらう、そんな者としての日々がスタートしたのです!
(※クリスチャンになって必要になるのは、ちゃんとしたキリスト教会に行くことです。そこで、いろいろ必要な学びができます。ハッキリ言って、聖書を自分一人で勉強していくから大丈夫、ということはあり得ません。また、一人では途中で嫌になってしまうときもあり、また、倒れたとしても、教会にいるならば、教会にいることによる、慰め、励ましがあります!何をしたらいいか、何をやめたらいいか、そんなことを学べる場所。キリストの神様に喜ばれることを学ぶ所でもあります、キリスト教会は。)
次回の百人一読から、セカンドシーズンになります!トップバッターは、日本を代表する作家・三浦綾子です。次回をお楽しみに!
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【書籍紹介】
篠原元著『100人の聖書』
本書を推薦します!
「他の追随を許さない数と挿話」
――奥山実牧師(宣教師訓練センター[MTC]所長)
「牧師の説教などに引用できて便利」
――中野雄一郎牧師(マウント・オリーブ・ミニストリーズ)
「聖書に生きた偉人たちの画廊」
――峯野龍弘牧師(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会)
ご注文は、全国の書店・キリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。
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