世界各地で数千教会の設立を手助けし、シンガポールでは初のメガチャーチ(礼拝参加者2千人以上の教会)を創設した、カリスマ派のリック・シーワード牧師(63)が3月24日、宣教会議に出席するため訪問していたブラジルで交通事故に遭い、亡くなった。シーワード氏は、今年2月に開催された日本ペンテコステ親交会(JPF)の教役者大会「JPFカンファレンス2018」で主講師を務めるなどしていた。
シーワード氏が牧会するシンガポールの教会「ビクトリー・ファミリー・センター」(VFC)は26日、フェイスブック(英語)で「このような発表をするのは心重いですが、当教会の創設者であるリック・シーワード牧師が、2018年3月24日にブラジルの交通事故で亡くなられました」と発表した。
VFCによると、シーワード氏は宣教会議に参加するため23日にブラジルに到着。24日、会議が終わり自身の運転する車で宿泊先のホテルに向かっている途中、南東部ミナスジェライス州トレッスポンタスで事故に遭った。
葬儀は、4月13日にシンガポールのスターパフォーミング・アーツセンターで行われる。同センターは、シンガポールの別のメガチャーチ「ニュークリエーション教会」の関連ビジネス団体が運営するコンサートホールで、同教会の礼拝も行われている。
シーワード氏は1977年、妻のダイアンさんと共に、VFCの前身となる「カルバリー・カリスマセンター」を設立した。VFCの公式サイト(英語)によると、最初の礼拝はホテルで行われた小さなものだった。しかしその後、シーワード氏の指導の下で世界90カ国に1万余りの教会を開拓するに至った。
VFCはシーワード氏について、「偉大な信仰とビジョンの人で、すべての地域教会には世界宣教において果たすべき役割があるという確信の故に、世界中に知られていました」「シーワード牧師は教会開拓の革命的戦略で有名になり、それによってさらに多くの教会が開拓されることになりました」と紹介している。
シーワード氏の訃報を知ったキリスト教指導者らは、続々と哀悼の意を表した。
「私は親愛なる兄弟であり、忠実な牧師仲間を失いました」と、聖公会シンガポール教区のレニス・ポニア主教は声明(英語)で語った。「リック・シーワード氏は、2つの貴重なものを実践されました。それは、シンガポールの牧師たちの心から消えることはありません。1つはイエス・キリストの良き知らせを他の人々と絶え間なく分かち合ったことです。もう1つは、教会の一致を促進することに腐心されたことです」
シーワード氏が2002〜08年に議長を務めた「ラブ・シンガポール」の会長を務める、シンガポールの別のメガチャーチ「フェイス・コミュニティー・バプテスト教会」(FCBC)のローレンス・コン牧師は、シーワード氏を「現代の使徒」と呼んで評価する。
「彼は隣国の東ティモールに関して、神のビジョンを語るスポークスマンでした」とコン氏は声明(英語)で語った。「それが教会や宣教団体の一致をもたらしたラブ・ティモール構想につながり、東ティモールの村々を実践的な形で祝福することになりました。今日、ティモール島の地で多くの良い出来事が起きています。それはティモール島を愛し、そのために尽くしたリック・シーワード氏がいたおかげです」
VFCの長年のメンバーであるドロシー・リムさんは、フェイスブックの投稿(英語)で、シーワード氏から大きな影響を受けたことについて語った。
「シーワード牧師は、キリストの従者には神に絶対服従する生き方以外に道はないことを私たちに教えてくださいました。シーワード牧師は臆することなく、妥協のない真理を教えてくださいました。たとえその教えが、私たちにどれほど不快に感じられてもです。私たちの人生は、日常生活に適用できる強靭でバランスの取れた教えの恩恵を受けました。それはちょうど、岩の上に建てられた家のようです」