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神声人語

神声人語―御言葉は異文化を超えて―(27)どうして新しい聖書の訳が出てくるのか 浜島敏

2017年8月21日06時57分 コラムニスト : 浜島敏
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一般の聖書読者は、写本の違いがもとになって、古くからなじみの文章とは違った翻訳が出てくると、当惑するものです。新しい訳が出ると、初めはたいてい掌中の玉を失ったという感じがします。私たちは伝統的な翻訳を愛好するようになっています。

また、古い訳は私たちのそれまでの宗教経験の一部になっているわけですから、変更は文章の意義と霊的内容を壊してしまうだけのものとしか思えません。英語改訂標準訳(1946年)のローマ人への手紙8章28節には、「神は、神を愛する者たちと共に働いて、万事を益となるようにしてくださる」と書かれています。脚注に、私たちの古いなじみの「すべてのこと相働きて益となる」も考えられないことではない、とあります。

ところが、われわれが古い形を好むということにも一理あろうというものです。それはちょうど、新しい友よりも古い友に気が置けないのと同じです。イエスご自身も、人間の避けられない伝統へのあこがれを説明されています。古い酒はたしなむが、新しい酒はごめんだ、というやからについての痛切な譬(たと)えがそれです。

この人たちは「古いのが良い」(ルカ5:39)と断言しています。が、ろくに調べてみもせずに、より良く考証された翻訳を見逃すのはよくありません。何か霊的な真理を見失っているかもしれないのですから。何についても古い考えを固守していると、われとわが手で豊かな見識を奪い取る羽目になりかねません。

以前より「学問的」であり、またはより「科学的」であるから、その「より良い翻訳」を私たちが当然受け入れなければならない、と言っているだけでは足りません。宗教は多分に心の問題ですから、新しい解釈の価値をキリスト教徒としての経験の光に照らして試した上でなければ、受け入れられないというものです。

もう1度、ローマ人への手紙8章28節の2つの訳を見てみましょう。主な違いは何でしょうか。古い訳は「すべてのこと相働きて益となる」ですが、新しい訳によれば、私たちの益になるように、すべてを行い給うのは神ご自身です。この節のさらに正確な翻訳は、この動詞の主語を「霊」とした翻訳です(新英語訳、1961年)。

ジェームズ王訳聖書では、存在とは非人格的なものであることをほのめかしているようで、一種の盲目的宿命観が感じられます。が、改訂標準訳と新英語訳聖書は、人格的な神こそ、私たちキリスト者の命と体験の礎であるという力強い宣言です。前の解釈は、場合により、人を向こうみずな功名に走らせますが、後者は心静かな信念のよりどころを与えます。

ヨハネの第一の手紙5章18節で私たちは、「すべて神から生まれた者は罪を犯さないことを、私たちは知っている。神から生まれた者は、彼自身を守るので、悪しき者が手を触れるようなことはない」という訳に慣れております。ところが、改訂標準訳では、ここのところが驚くべきことに、「すべて神から生まれた者は罪を犯さないことを、私たちは知っている。神から生まれた方が彼を守っていてくださるので、悪しき者が手を触れるようなことはない」と変わっています。

これら2つの訳の間にある意味の対比は莫大(ばくだい)なものです。ところが、ギリシャ語で変わっていることといえば、「彼」と「彼自身」の区別をするたった1つのちっぽけな記号だけです。古い訳は、私たちの経験と聖書のほかの箇所に照らして明らかに矛盾した事実を述べています。キリスト教徒として私たちは、われとわが身を守ることはできません。が、この新しい訳の真実性を認めるのは容易です。

わが身を守るのは、私たちに任された仕事ではありません。「神から生まれた方(すなわちイエス・キリスト)が私たちを守ってくださる」のです。それは復活された主の聖務です。主は聖霊によって、悔い改めたしもべらをお守りになるのです。

ジェームズ王訳聖書の語句のあるものは、正確に理解することがほとんど不可能です。これは17世紀に利用し得たギリシャ語のテキストが、あまりにも不完全であったためです。

コリント人への第一の手紙8章7節で「偶像の良心」という句に出会います。一体全体これは何のことでしょうか。聖書は、偶像にも良心があるとでも言うのでしょうか。それでは明らかに聖書の教えと矛盾してしまいます。

それはまた「偶像の意識」でもありません。写本のあるもので、2つのギリシャ語が混用されています。すなわち1つは「良心」を表し、他は「体験」を意味します。これさえ納得すれば、原典の問題は解決します。そこで初めて「ある人々は、偶像についてのこれまでの習慣上、偶像への供え物として、それを食べる」という改訂標準訳の大幅な改訳を完全に理解できるのです。

ある場合には、翻訳の相違点が、原典のより優れた解釈を表していないことがあります。というのは、前より正確な言語で書かれた、より古い写本が発見された、というわけではなくて、今日では、原文の意味を以前よりはっきりと理解できる、ということです。

ローマ人への手紙1章17節で、以前よく「義人は信仰によって生きる」(ハバクク2:4参照)という句を見かけたものです。この宣言は、信仰に導く高らかなファンファーレの響きであり、生涯続く信仰の必要性を説いた多くの説教の材料になっていました。

なるほどこの句にそのような意味があり得ましょう。が、「信仰による義人は生きる」という方が、よりありそうなことです。これは「信仰による義」(ローマ5:1)を主題としているローマ人への手紙の中でパウロが首尾一貫して強調していることにぴったりしています。

パウロはこの手紙の中で、一方で「信仰による命」、他方で「信仰による義」という2つの主題を述べているわけではありません。彼の目的は、信仰によって与えられる義、というキリスト教の一大根本原理を強調することでした。それは、与えられた義です。その源は神の恩寵であり、その応答は人間の信仰に表れるものです。

普通の信者や、神学生のある者は、ギリシャ語は「とてもだめ」、ヘブライ語に至ってはあっさり「関係ない」と決めてしまっています。ところが、立派な仕事をしようと望む聖書翻訳者にとって、それらは翻訳の価値と効果とを絶えず増大し、かつ報いとして貴重な精神的体験を与えてくれる日々の必需品であります。

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*

【書籍紹介】
ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』
訳者:繁尾久・郡司利男 改訂増補者:浜島敏

ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』

世界の人里離れた地域で聖書翻訳を行っている宣教師たちと一緒に仕事をすることになって、何百という言語に聖書を翻訳するという素晴らしい側面を学ぶまたとない機会に恵まれました。世界の70カ国を越える国々を訪れ、150語以上の言語についてのさまざまな問題点を教えられました。その間、私たち夫婦はこれらの感動的な仕事の技術的な面や、人の興味をそそるような事柄について、詳細なメモを取りました。

宣教師たちは、未知の言語の文字を作り、文法書や辞書を書き、それらの言語という道具を使って神の言葉のメッセージを伝えるのです。私たちは、この本を準備するに当たって、これらの宣教師の戦略の扉を開くことで、私たちが受けたわくわくするような霊的な恵みを他の人たちにもお分かちしたいという願いを持ちました。本書に上げられているたくさんの資料を提供してくださった多くの宣教師の皆さんに心から感謝いたします。これらの方々は、一緒に仕事をしておられる同労者を除いてはほとんど知られることはないでしょう。また、それらの言語で神の言葉を備え、有効な伝道活動の基礎を作ったことにより、その土地に住む人々に素晴らしい宝を与えられたことになります。その人たちは、彼らの尊い仕事を決して忘れることはないでしょう。

本書は説教やレッスンのための教材として役立つ資料を豊富に備えていますが、その目的で牧師や日曜学校教師だけのために書かれたものではありません。クリスチャン生活のこれまで知らなかった領域を知りたいと思っておられる一般クリスチャンへの入門書ともなっています。読者の便宜に資するために3種類の索引をつけました。①聖句索引、本書に引用されている聖書箇所を聖書の順に並べました、②言語索引、これらのほとんど知られていない言語の地理上の説明も加えました、③総索引、題目と聖書の表現のリストを上げました。

ユージン・ナイダ

◇

浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

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※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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