JTJ宣教神学校(東京都台東区)の第25回卒業・修了式が20日、YMCAアジア青少年センター(同千代田区)で行われた。神学部23人、生涯学習部3人の計26人が同校での学びを終え、新たな働きの場へと旅立つ。
この春卒業するのは、牧師志願科16人、信徒牧師科5人、信徒伝道者科1人、聖書専修科1人、カウセリングコース3人。年齢も人生経験もさまざまな卒業生の出席(奉仕)教会は全国各地に広がっており、最も遠いところでは沖縄名護市だ。また、75歳で同校を卒業し、88歳で教会を立ち上げた日之影キリスト教会(宮崎県日之影町)の城尾(じょうび)マツ牧師の次女・マコトさんと公彦さんが夫婦そろって牧師志願科を今年卒業した。
同校の横山英実学長は、「罪に定める務めに栄光があるのなら、義とする務めには、なおさら、栄光があふれるのです」という2コリント3章6~9節の御言葉を通して次のように式辞を述べた。
「日本の多くの教会で御言葉の説き明かしがきちんとされていない。教会に来る人たちは牧師の意見や政治の話を聞きたいわけではない。忙しい毎日を過ごす中、御言葉に飢え渇いて教会にやって来る信徒たちに、よみがえられた主イエス・キリスト様が見えるように聖書の御言葉、命の言葉を語ってほしい。命の言葉を固く握りしめ、そこからずれないでいただきたい」
また、信徒は多くの選択肢の中で生きているが、「イエス様はマル、パリサイ人はバツ」というように、物事を単純化してしまうことにも注意を促した。そして教会には、モーセに示された「罪に定める務め」と、イエス・キリストが示された「義とする務め」があるが、「信徒が自分の罪を責められたとき、希望を持てるだろうか」と問い掛けた。
「イエス様は、教会の大きさによってではなく、実によって見分けられる。その教会の方々に喜びがあるか。感謝はあるか。その顔に喜びはあふれているか。義とする働きを通して、信徒の方々が喜びにあふれるよう、義とする務めに励んでいただきたい」
その後、卒業生を代表して、牧師志願科の川満優太さんと山田聡さんが感謝の言葉を述べた。
川満さんは病との闘いの中で同校への進学を決め、さまざまな困難の中、牧師や妻がその歩みを支えてくれたという。「だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」(ルカ22:32)という御言葉を引用し、「イエス様を信じる者として堂々と生きていきたい。豊かな学びを続けられたことに感謝し、先に立ち直った自分が兄弟たちを力付けてあげたい」と語った。
7年の学びを終えて巣立つ山田さんは、「被造物は、神の子たちの現れるのを切に待ち望んでいます」(ローマ8:19~22)という聖書の言葉から、「救われるのは人間だけでなく、被造物全てであり、信仰者が義の信仰に生きるとき、被造物全てが救いにあずかることを知った。この福音を伝える使命を胸に、卒業後は葛飾・柴又で妻と一緒に教会を開拓していく」と語った。
この日は、上野の森キリスト教会長老でムラサキスポーツ会長の金山良雄氏、インターナショナルVIPクラブ創設者で代表役員の市村和夫氏、ニューホープ横浜の主任牧師である真島亨氏の3人が登壇し、祝辞を述べた。最初に登壇した金山氏は、最近、がんの宣告を受けたとき、2人の恩師の言葉に導かれ、励まされたことを語った。市川氏は、リーダーシップに求められる3つのこと―ビジョンと品性、そしてタラントを生かすことについて話した。続いて登壇した真島牧師は次のようなメッセージを贈った。
「何かを始めるより、し続けることの方が難しい。でも、神様が与えてくださったビジョンならば、信じ、祈り続ける中で、神様が道を備えていてくださる。99パーセントの救われていない人たちに目を向けて、イエス・キリストの国を伝えていく働き人、教会となっていきましょう」