「すなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前から彼らにあって選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました」(エペソ1:4)
1844年ロンドンの町で、ジョージ・ウィリアムズは服地屋の店員として働いていました。当時、産業革命で多くの若者は都市に集まり、劣悪な衛生環境の職場で1日平均10~12時間の単純労働をし、その後、夜はバーや売春宿で時間を過ごし、心身共に堕落していきました。
ウィリアムズ青年はそんな周囲の環境に流されないで、何とか聖く正しい生活をしたいと考えていました。そんな時、クリスチャンの友人を通して聖書を読み始め、クリスチャンになります。
クリスチャンとなったウィリアムズは、心身共に荒廃していく友人たちのことで心を痛め、12人のクリスチャンたちと共に祈り、学び、生活を改善していく活動を始めました。それがYMCA(キリスト教青年会)の始まりです。
その活動は成長し、今日、世界130カ国を越える国々で組織され、青少年の育成のために大きな貢献をしています。
「環境がどうであれ、聖く正しい生活をする」という1人の青年の決断が、世界に大きな影響を及ぼしたのです。
ケント・キース博士(ハワイ州政府の閣僚、弁護士、大学の学長)が若者たちを励ますために書いた「逆説の十戒」(the Paradoxical Commandments)を紹介しましょう。
1. 人は不合理でわからず屋で、わがままな存在である。
それでも人を愛しなさい。2. 何か良いことをすると、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。3. 成功すれば、うその友人と本物の敵を得ることになる。
それでもなお、成功しなさい。4. 今日の善行は、明日になれば忘れ去られてしまうだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。5. 正直で率直な在り方は、あなたを無防備にするだろう。
それでもなお、正直で率直でありなさい。6. 大きな考えを持つと、小さな考えしか持たない人に引き降ろされるかもしれない。
それでもなお、大きな考えを持ちなさい。7. 人は弱者を哀れむが、勝者にしか従っていかない。
それでもなお、弱者のために戦いなさい。8. 何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
それでもなお、築き上げなさい。9. 助けを求める人に助けの手を伸べると、反発されるかもしれない。
それでもなお、人を助けなさい。10. 世のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
それでもなお、世のために最善を尽くしなさい。
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