北海道新聞函館支社の嘱託看護師だった女性=当時(40)=が昨年2月、北海道新聞の男性社員2人からセクハラを受け、自殺に追い込まれたとして、遺族が同社と社員2人を相手取り、約8590万円の損害賠償を求める訴訟を22日、函館地裁に起こした。産経新聞が伝えた。
同紙によると、女性は14年12月に函館市内で行われた忘年会で、男性社員2人から体を触られたり、「愛人になれ」などと迫られたという。女性は翌15年2月、自宅に火を付け、一酸化炭素中毒で死亡しているのが見つかった。女性は同社に対し対応を求めていたが、適切な対応がなかったという。
遺族は15年5月、暴行容疑などで社員2人を告発。しかし、函館地検は今年3月、不起訴処分にしていたという。
15年5月の週刊朝日の報道によると、女性は生前、北海道新聞の責任者に宛てた手紙を書き残しており、「恐怖が今でも脳裏に焼きついており、(略)我慢の限界を超えた」などとつづっていたという。遺族の弁護士は同誌に「Mさん(女性)は燃えていない自宅の物置に告発文などセクハラ被害の詳細が分かる資料を段ボールに入れて置いていた。覚悟の死だったようです」などと語っていた。