新国立競技場の建設予定地で、日本スポーツ振興センター(JSC)の職員にバリケードをたたき付けるなどの暴行を加えたとして、警視庁公安部は2日、活動家の山口慎太郎容疑者(36)=住所・職業不詳=を傷害と公務執行妨害の両容疑で逮捕した。時事通信などが伝えた。
同通信などによると、山口容疑者は1月27日、新国立競技場の建設予定地で、通行禁止の措置を取っていたJSCの男性職員に、設置されていた重さ約7キロの鉄製のバリケードをたたき付ける暴行を行った容疑が持たれている。JSC職員は足に約1週間の軽傷を負った。
山口容疑者は、建設予定地で暮らす路上生活者を支援するグループの中心人物だという。産経新聞やテレビ朝日によると、このグループは、路上生活者に立ち退きを求めるJSCに対し、連日抗議しており、事件当日は約40人が抗議のために集まっていたという。
同紙によると、複数の路上生活者が立ち退きを拒否しており、テレビ朝日によると、この事件などの影響で建設予定地周辺の下水工事などが中断されているという。共同通信によると、警視庁公安部は、山口容疑者が2020年開催の東京オリンピックに反対するため、路上生活者にJSCからの立ち退き要請を拒ませ、工事を妨害していたとみて調べている。