金融業界幹部のある裕福な男性が、米ミネソタ州のメガチャーチに1700万ドル(約19億9400万円)以上を寄付し、同教会は10年以上前に建てた教会建物のローンを完済した。
イーグルブルック教会は、毎週2万1千人以上の礼拝者がおり、ツインシティーズの地域に6カ所の礼拝所を持っている。先月、同教会のボブ・メリット牧師は、リノレイクスにある同教会の礼拝所のローンが正式に返済完了した通知を受けたことを教会員らに明かし、4年をかけて1700万ドルを献金した匿名の男性に感謝した。
2005年12月、イーグルブルック教会はリノレイクスの礼拝所を開設し、多額の借金を背負うこととなった。そこで、メリット牧師は資金支援キャンペーンを数年前に開始。献金への協力を呼び掛けていた。
メリット牧師は先月、ある出来事を振り返り、教会員たちに説明した。4年前、メリット牧師はキャンペーンに貢献してくれるのではないかという期待を持ちながら、ある裕福な金融サービスの幹部の男性と昼食のためにミネアポリスで会っていた。しかし、その男性が語った内容は、メリット牧師にとって予想外のものであった。何と、彼が教会の残りの負債を全て支払うと言ったのだ。
「私は、自分の話をし始めて、話の中盤辺りで彼は私を遮りました。『ボブ、そんなことはいいから。私は、教会の借金を払おうと思っている』というような感じのことを言ったのだと思います」。メリット氏は回想する。「レストランがうるさくて、彼が何と言っているのかよく聞こえなかったので、『え、今何て?』と聞き返しました。彼は、『私がリノレークスの残りの借金を払いますよ。えっと、1700万ドルとかだったっけ? 私が何とかするから』と言いました」
「私は開いた口がふさがりませんでした。以前にも人々は私に、このようなことを言ったことがありました。私は、用心深かったのです」とメリット氏は付け加えた。「あれは4年前のことでした。私は皆さん全員にこのことをどうやって伝えたらいいか分かりません。これは私にとってかなり感情的になってしまいますが、この週末、リノレイクスの礼拝所の10周年記念の日に、この男性と彼の奥様は、最後の小切手170万ドル(約1億9800万円)を送ってくれました。そして今日、リノレイクスは、完全に借金がなくなりました。信じられないことです。15年早く、借金から解放されました 」
170万ドルの小切手に加えて、男性はメリット牧師に手紙を送った。牧師は会衆の前でその内容を朗読した。
手紙は、「なぜ私がこのようなことをしたのか? 私は神様が私の人生に与えてくださったたくさんの祝福のゆえに、神様をほめたたえたかったのです」と始まった、とメリット氏。「この教会に献金することが、神様に敬意を表すためにふさわしいと思われました。妻と私は、イーグルブルック教会が、実に深い抜本的な方法で、多くの人の人生を変革してきたところが気に入っています。私たち夫婦の、神様とイーグルブルック教会に対する献身は、私たちの結婚と人生の基盤となっています」
男性が、借金の残額である1700万ドルを払わずにはいられないと感じた理由の一つは、これが「犠牲を伴うささげもの」だからと述べ、ローンを払うと決めたとき、手のひらには冷や汗をかいていたことを付け加えた。
手紙には、「神様が私に与えてくださった金銭的祝福が、お金を必要とする人々を私が助けることを可能にしました」「どうやったら私にお金を返すことができるかと聞いてくる人がいますが、ぜひペイ・フォワードしましょう。つまり、あなたにお返しをすることができない誰かを、あなたが助けてください。私はイーグルブルック教会の素晴らしい皆さんに、ペイ・フォワードすることを、この手紙を通してお願いしたいのです」ともつづられていた。
さらに、献金者の男性は、「イーグルブルック教会の人々へ。ぜひ私の後に続いてください。信仰で前に一歩踏み出しましょう」と手紙の中で述べた。「今日、あなたが教会に献金するなら、もっと多くささげましょう。あなたの手に冷や汗をかきましょう。今日ささげないという人は、ぜひ今日から始めましょう。ささげることを習慣にし、増していくことは、神様があなたに届いてくださったように、他の人に届くことになるのです」
アウトリーチマガジンによれば、イーグルブルック教会は2015年の時点で、米国で11番目に大きなメガチャーチだ。
「今回の件に対する私の感想は、非常に感謝しているということです」と、2008年より同教会員であるアンディ―・ピーターソン氏は、セント・パイオニア・プレスに語った。「このような方へ、私たちが最も感謝したいことは、この方の行いが波及効果として教会全体に良い影響をもたらしてくれたことです。彼が、私たちにペイ・フォワードするようにとチャレンジを与えてくれました」