キリスト教とユダヤ教とはどのように関係し、どのように違うのか。
ユダヤ教とキリスト教は同じ源流を持ちます。同じ唯一の霊なる神を信じ、同じ歴史を持ち、同じ預言者を持ち、同じ旧約聖書を経典とします。ですから、旧約の時代(BCの時代)は一つのものです。「私(ヘブル人)は海と陸を造られた天の神、主を恐れています」(ヨナ1:9)との信仰です。
しかし、ユダヤ民族がバビロン捕囚から帰還の後、エズラ、ネヘミヤ(BC430年ごろ)以降、律法の遵守が信仰の根幹だと強調され、他方で預言者が起こされず、自民族中心となりました。
ところが、旧約聖書で預言されていたメシア〔救い主〕としてのイエス・キリストがこの世界(ユダヤ)に来臨してから異なってきます。このイエスを神の子・救い主と信じるものがキリスト教です。これを信じないで、律法によってユダヤ人と同じようになることで救われるとするのがユダヤ教です。旧約聖書だけを信じるのがユダヤ教で、旧約聖書と新約聖書の両方を信じるのがキリスト教です。
それ以後、別々の歩みとなりました。
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正木弥(まさき・や)
1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。
【正木弥著書】
『なにゆえキリストの道なのか 〜ぶしつけな240の質問に答える〜 増補版』
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)