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律法と福音

律法と福音(3)特別啓示 山崎純二 

2015年8月6日09時58分 コラムニスト : 山崎純二
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関連タグ:山崎純二

前回は「一般啓示」について触れさせていただきましたが、もう一つの種類の啓示とは何でしょうか。それは「特別啓示」と呼ばれています。確かに一般啓示を通してでも神の存在や偉大さを漠然と感じることはできますが、明確に神様の心情や計画を知ることはできません。

そこで、神様が用いられるのが「言葉」です。人間が言葉を使えるのなら、神様も当然のこと言葉を使うことができます。しかも人間以上に美しく正確で深い言葉を使われます。ではその言葉はどのようにして、人間に啓示されるのでしょうか。ヨブ記にこのような言葉があります。

「神はある方法で語られ、また、ほかの方法で語られるが、人はそれに気づかない。夜の幻と、夢の中で、または深い眠りが人々を襲うとき、あるいは寝床の上でまどろむとき・・・」(ヨブ記33:14、15)

神はいろいろな方法で人に語られるとあります。しかし残念なことに多くの場合、人はそれに気付かないとも書かれています。でも大丈夫です。多くの人は神の言葉に気付けないとしても、神は預言者たちに神の特別啓示をしっかりと受け止めることができる能力を授けたからです。ご存知の方も多いかもしれませんが、預言者というのはノストラダムスの大予言のように未来を占う者ではありません。この予言は「予(あらかじ)め言う」という意味ですが、聖書でいう預言者とは文字通り「神の言葉を預かる者」という意味です。

特に古(いにしえ)の時代においては、モーセという一人の人に神は多くの言葉を授けました。モーセは非常に謙遜で敬虔な人であり、古代イスラエルの民をエジプトの奴隷という立場から解放した大指導者でもありました。ディズニー映画「プリンス・オブ・エジプト」を見て、モーセを知っているという方もいると思います。モーセがどういう人物であり、どのように神の特別啓示を受けたのかを理解するために、ある事件を紹介させていただきます。

実はモーセというのは3人きょうだいの末っ子でした。モーセの兄はアロンといい、姉はミリヤムといいます。そしてモーセのきょうだいたちも神の言葉をキャッチすることのできる預言者でした。そして彼らはモーセ一人が民の指導者となっていることを内心面白くないと思っていたようです。そこである日、彼らはモーセに対してこのように文句をつけました。

「彼らは言った。『主はただモーセとだけ話されたのでしょうか。私たちとも話されたのではないでしょうか』」(民数記12:2)

お前は末っ子のくせに、自分一人が神の預言者だとうぬぼれているのではないかと、兄と姉が詰め寄ったわけです。これを聞かれた神は、2人を呼び出されました。聖書の続きを引用してみましょう。

「主は雲の柱の中にあって降りて来られ、天幕の入口に立って、アロンとミリヤムを呼ばれた。ふたりが出て行くと、仰せられた。『わたしのことばを聞け。もし、あなたがたのひとりが預言者であるなら、主であるわたしは、幻の中でその者にわたしを知らせ、夢の中でその者に語る。しかしわたしのしもべモーセとはそうではない。彼はわたしの全家を通じて忠実な者である。彼とは、わたしは口と口とで語り、明らかに語って、なぞで話すことはしない。彼はまた、主の姿を仰ぎ見ている。なぜ、あなたがたは、わたしのしもべモーセを恐れずに非難するのか』」(民数記12:5~8)

神はモーセを普通の預言者とは区別されました。そして彼に対しては漠然と夢や幻の中で語るのではなくて、口と口で明らかに語ると言われたのです。

ではその特別な預言者であるモーセに語られた特別啓示の内容とはどのようなものだったのでしょうか。

それは「律法」と呼ばれるものでした。福音(ゴスペル)について書くと言っていながら、「啓示」だの「律法」だのと堅苦しい言葉が出てくるなあと感じている方もいるかもしれません。しかし、福音を深く正確に理解するためには、必ず律法とは何なのかということを理解しなければなりません。

というわけで、次回からは本格的に、モーセという預言者に与えられた律法に関して書かせていただきたいと思います。なるべく平易な言葉で書きますので、読み進めてください。「律法」という神の言葉が分かると、もう一つの特別啓示である「福音」を深い感動をもって受け止めることができます。それはまるで、本当の悲しみを体験した者だけが本当の幸福をも理解し得ることに似ています。

ゴスペルの影響

「律法」や「福音」の内容に深く入る前に、福音がどれほどの影響を人に与えるかを知っていただきたいと思います。

ゴスペルという音楽は、奴隷としてアフリカから連れてこられたブラックアメリカンの人たちによって歌われるようになりました。

彼らの心情にしばらく思いを馳せてみましょう。彼らは突如として見知らぬ外国人に捕まえられ、故郷から遠く離れた異国の地に奴隷として売られていきました。親や兄弟とは離れ離れになり、お金で売られ、朝から晩まで非人間的な扱いを受けながら、奴隷として酷使され続けたのです。

どこに希望があるのでしょうか。どこに幸せがあるのでしょうか。それにもかかわらず、彼らは「OH HAPPY DAY」(幸せな日々)や「AMAZING GRACE」(驚くべき恵み)などと魂の底から歌ったのです。なぜそんな事が可能だったのでしょうか。

彼らの心の中には、「福音」による喜びや感謝が溢れていたのです。彼らに希望を与えた、福音(ゴスペル)とは一体何なのでしょうか。その事を皆様と一緒に、少しずつ丁寧に確認していけたらと思っています。

【まとめ】

  • 神は言葉を使って啓示され、それを「特別啓示」という。
  • 神が語られる時、多くの人は気付かない。
  • そこで神は旧約の時代には、預言者を通して語られた。
  • 神は特別にモーセに口と口とで語られ、その言葉は「律法」と呼ばれる。
  • 「律法」を知ることなしに、「福音」の恵みを理解することはできない。
  • 「福音」は絶望的な状況にいる人々に喜びと希望を与え続けてきた。

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◇

山崎純二

山崎純二

(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。米国ではクイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。ツイッターでも情報を発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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