イエスは最後に全ての人に福音を伝えるよう弟子たちに言い残した。この「ミッション」を完遂するために、クリスチャンは情熱を注ぎ、自分の才能や特技、与えられた全てを生かして活動している。そのミッションをまさに身をもって行っている一人の歌手に出会った。メリッサ・ワタナベさん。彼女は何を思い、誰のために歌っているのか。
コロンビア出身の歌手、メリッサさんは現在27歳。8歳の頃、家族と共に日本に移住。最初は母国語のスペイン語しか話せなかったが、高校生まで日本で育ち、米国の大学に進学した。日本語と英語も話せるマルチリンガルとなった彼女は、米国でシンガーソングライターとして活動していたが、昨年帰国。現在は会社員として働きつつ、自分に与えられたギフト(賜物)を生かして、歌手としてチャリティコンサートなどのステージに立っている。
クリスチャンの家庭で育った彼女は、幼い頃から歌を使っての伝道にコール(召命)されていることを感じていたが、「怖くて無視していた」と言う。しかし15歳の頃、出会った聖書の一文に心を揺り動かされ、教会で賛美の奉仕を始めた。それは、“あなたにはできない。でも私がやるからできる。心配するな”という言葉だった。
その後、大学進学のために渡米し、大学院に進学する頃には歌手としての活動をスタート。CDも出していたが、自分の歩んでいる道に違和感を感じたという。そんな時に聖書を開き、その言葉に勇気づけられ、日本に帰ることを決意した。「私たちのやるべきことは、まだ救われていない人にイエス様のことを伝えること。仕事も住む場所も何もかも決まっていなかったけど、この道が一番心にピース(平安)を感じた」と決断に至った心情を語る。
現在、日本ではクリスチャンの人口は1パーセントといわれている。言い換えるならば、99パーセントはクリスチャンになり得る。「収穫は多いけど神様の働き手はまだ少ない。私はその働き手になりたかったし、同じ心を持った教会のために仕えたかった」という。日本に帰国してクリスチャンではない人と話すと、クリスチャンは固いイメージを持たれていたり、教会に誘うと「私、クリスチャンじゃないけど、教会に入って行っていいの?」と言われたりすることもあるそうだ。
クリスチャンでない人でも教会に入って行っていいということすら伝わっていない。その雰囲気を壊したいと彼女は言う。「人の思いで神様のリミットを決めてしまってはいけない。神様のことを伝えるために、“こうでなければいけない”というスタイルなどありません。神様は文字通り、誰にでも腕を広げていることを伝えたい」と言い、そのためにクリスチャンがもっとオープンになって、自分たちのことを知らせるべきだと言う。
教会で奉仕している人やリーダーシップを発揮している人、牧師ばかりがクリスチャンと思われがちだが、そうではないとメリッサさん。神を本当に知っているなら、どんな身分の人であっても、どこへ行ってもクリスチャンは人々をリードすることになるし、イエスを表現し、神の元に導く“牧師”(羊=迷っている人を世話する者)になると言う。「私はいつもジーザス(イエス)に『あなたの栄光を表せるするように使ってください』と祈ります。ある人にとっては、知り合いの中で私だけがクリスチャン。言い換えるなら、私だけが唯一のきっかけかもしれない」
誰もが皆違う環境に置かれている。しかし、一番必要なのは人々を神へ導く目的意識だと彼女は言う。「私は、ステージに立った時だけクリスチャンになるんじゃなく、いつでもクリスチャン。色んなタイプのクリスチャンが必要。真面目で固い人も、学者や先生のような頭の良い人も必要だけど、私みたいな人も。だからギフトを生かしてミニストリー(伝道)に関わり続けたい」
彼女の熱い思いにぜひ、まずは歌を通じて触れてほしい。
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