世界で最も名高く、最も多くの人々に読まれている本「聖書」。中でも最も広く知れ、愛されているイエス・キリストの数奇な生涯の物語を題材にした『サン・オブ・ゴッド』(原題:Son of God)が、来年1月10日に公開される。これに先立ち、新しいビジュアルが公開された。
この物語は、イエスが誕生してから復活するまでを、十二使徒最後の生き残りであるヨハネの視点で語られるスペクタクルドラマ。ペテロやマタイとの出会い、ラザロの復活やパリサイ派との論争など、聖書の有名なエピソードを織り込みながら、イエスの通った軌跡をたどる。
全米では、公開されるや3日間で2650万ドル(約31億4千万円)の興行収入を記録し、3週連続でトップ10入りを果たした。その後世界中で公開され、大ヒットを記録している。
今回公開されたのは、復活したイエスのビジュアルなど。イエスが十字架で処刑され、失意のどん底に落ちる使徒や仲間たち。そこに、「イエスが復活した」と、にわかには信じられない報せが届く。イエスの偉大さを認めつつも、「そんなのありえない」と言う使徒たち。そこに現れたのは、後光を放つイエスだった。そこでも、イエスが「お前たちは私を見たから信じるのか?だが、見ないで信じる人は幸せ者だ」と手の傷痕を見せるなど、原作のファンにはたまらない演出がちりばめられている。
映画でイエスを演じるのは、ポルトガル出身のディオゴ・モルガド。かつてイエス・キリストは何人もの役者が演じている。近年では、『パッション』(原題:The Passion of the Christ、2004年)のジム・カヴィーゼルなども有名だが、容姿自体がここまで話題になったことはなかったという。「Hot Jesus(イケメン過ぎるイエス)」と呼ばれるモルガドとの出会いを、製作陣は次のように明かす。
製作陣がイエスの役者を探すにあたって目標に掲げたのは、「ライオンの強さと小羊の優しさを兼ね備えていること」だった。モルガドが初めてオフィスを訪れたとき、プロデューサーであり、イエスの母マリアを演じるローマ・ダウニーが、「彼だわ。あそこに私たちのイエスがいる!」と、夫で共同プロデューサーであるマーク・バーネットに向かって叫んだ。「彼以上に完壁な人はいない。精神の美しさが、初めてのミーティングの間中輝いていたの」と、ダウニーは語ったという。
モルガドも「イエス・キリストを演じるための正しい準備方法などありません。僕はただ、その精神が僕の中に浸透するのを待つだけです」と、バーネットに伝えた。
監督のクリストファー・スペンサーも、「この映画で一番刺激的だったのが、ディオゴとの仕事だった。僕たちは一緒にいくつかのシーンの新しい見せ方を考え出した。彼はアイデアに溢れていたよ」と絶賛する。
上映時間は138分。国内の宣伝担当者は、「多くの日本人は『宗教』と聞いただけで、どんな名作、話題作でも構えてしまいがちだけど、この映画はキリスト教信者じゃなくてもシンプルに楽しめるスペクタクルドラマ。この物語に詳しい人も、『すべての物語は、ここから始まる』のコピーの通り、日本人でも知っている有名な逸話や何となく知っていたという話が、『実はこういう意味だったんだ』と再発見しながら鑑賞できる。クリスチャンの方はもちろん、キリスト教を信じてない人でも、ぜひ劇場に足を運んでこの物語を堪能してほしい」と話す。
映画『サン・オブ・ゴッド』は、来年1月10日から新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー他で全国公開される。