地球温暖化による気候変動に関する国際的な対策を話し合おうと、1日から12日まで、南米ペルーの首都リマで開かれている国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第20回締約国会議(COP20)。この会議に、ルーテル世界連盟(LWF)の代表として出席しているマーティン・コップ氏は、世界中の信仰共同体が気候のための断食と祈りを通じてどのようにして共に団結し、COP20の初日を迎えたのかについて語った。コップ氏は、世界の宗教指導者たちが出席した記者会見でこれらのことを語った。
「気候のために断食を(Fast for the Climate)」運動の代表でもあるコップ氏は、次のように語った。「クリスチャンとしての私たちの願いは、神の支配が私たちの毎日の生活のあらゆる側面で目に見える形で表れることです。そして、私たちは、神の創られた世界を大切にすることは、私たちクリスチャンの責任として欠かすことのできないものだと信じています」
さらにコップ氏は、神の助けをもってすれば、私たちは全ての人々が公正で持続可能な世界、もっとグリーンな世界を夢見ることができるような良い決定をするよう、世界の政治指導者たちに要求できる、また大きな討論の場を築くための道を見つけることができると表明した。
英キリスト教援助団体「クリスチャン・エイド」の気候変動上級顧問であるモハメッド・アドウ氏は、「気候のために断食を」という取り組みは、気候変動のために苦しんでいる人々の権利のために、とりなし祈る人たちの大きな運動を築き上げつつあると説明した。
「キリスト教指導者たちの地球規模の共同体の一部として、私たちは、米国の黒人社会の権利を差別し孤立させた制度と闘った、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのような預言者たちの遺産の一部となって、世界を鼓舞することができる」とアドウ氏は述べた。「私たちは、奴隷制度を終わらせる旗印となった運動のクリスチャン政治指導者だったウィリアム・ウィルバーフォースからも刺激を受けている」と言う。
この「気候のために断食を」という取り組みは、ペルー全国福音協議会(CONEP)やペルー全国キリスト教福音教会連合(UNICEP)の福音派の指導者たちからも支持された。
CONEPの会長であるエンリケ・アルバ・カルペ牧師は、この運動を支持し、祈りは教会の基本だと述べた。「断食はとりなしの祈りの一部だ」という。アルバ牧師は、聖霊がこのCOP20の政治の意思決定者たちの思いを啓発し、全人類のために良い合意を追求するという、自らの責任を担うよう祈っていると言い、「私たちは、各国の代表が、気候変動の影響を緩和するための意思決定をしてくれるよう望みます」と語った。
UNICEPの会長であるマヌエル・グティエレス氏も、「気候のために断食を」に対する自らの支持を表明。「私たちが直面している気候の危機には、神のとりなしが必要だ」と語った。それは、変動する気候の影響を止める助けとなるような合意を緊急につくるという、主な責任を負っている世界の政治指導者たちに対する意識化の一部だとグティエレス氏は述べた。
「気候のために断食を」運動は、気候変動の被害者たちと連帯して、霊的な実践として異なる宗教の人たちの団結を求める諸宗教間の取り組みで、来年12月にパリで開かれるCOP21という一里塚に向けて準備を整えている。
スイス・ジュネーブにある世界教会協議会(WCC)は、他の地球規模のエキュメニカルな組織と共に、この取り組みを推進している団体の一つである。