2013年の世界教会協議会(WCC)第10回総会で発せられた呼び掛け「正義と平和の巡礼」に感化され、ドイツで行われたある会議が、東アジアにおける「正義に基づく平和(just peace)」のための「霊的刷新と預言者的召命」に向けて、日本と韓国の教会と共に活動する責務を是認した。WCCが14日、公式サイトで伝えた。
9月29日から10月1日まで、ドイツのヴィッテンベルクで開かれた「東アジアにおける正義に基づく平和」に関するこの会議で発表された書簡は、ドイツと日本および韓国からの参加者によって草案が作られた。
この会議は、南西ドイツ宣教会とベルリン宣教会の創立会員であるドイツ東亜伝道会(DOAM)と、ヴィッテンベルク・プロテスタント・アカデミーによって企画されたもの。
書簡は、福島の核による大災害の影響を受けた人たちを支援し、核兵器に反対する提言をするよう教会に強く求めている。また、韓国の済州島における海軍の港や沖縄の辺野古基地の建設に対する抗議を評価し、人権を守り関連政府に責任を負わせるよう教会に強く求めている。
またこの会議は、朝鮮半島の癒しと和解、協力、平和のための支援を促した。参加者たちは、軍事的関与を除去するという本来の意図に従う、日本の平和憲法第9条の正確な解釈を求める提言も促した。
日本と韓国の教会に対し、書簡はこう述べている。
「正義と平和の巡礼における同行者(companions:その語源はラテン語で「パンを共にする人」という意味)であってほしいという要求が、私たちにとってだけでなく、あなた方にとってもどれほど大きくなってきているのか、私たちは気付き始めています。時には、この道を歩むことで私たちが評判の悪い決定へと導かれ、私たちが少数派になり、『支配と権威』に反対することにさえなるかもしれません」
「私たちは、あなた方に私たちの祈りと私たちの変わらぬ支援、私たちの訪問と招待、そして寄り添ってほしいと私たちがあなた方に求めるように、あなた方の道であなた方に寄り添うという私たちの責務を表します」
「時には、私たちは自らの限られた文脈や文化、教派、制度的意識にとらわれてしまうかもしれませんし、自らの考えや理由付け、行動の仕方が『盲目的』つまり一方的になることもあるかもしれません。正義と平和の巡礼における忠実な同行者であるために何が必要なのかが分かるように、あなた方が私たちを助けてくださると信じています」
DOAMは、シュライエルマッハーの影響を受けた19世紀のプロテスタント神学に由来する伝道会である。ワイマールでスイスとドイツの代表者たちによって1884年に創立され、諸宗教の研究と他の宗教者との対話に携わっている。主に中国と日本で活動し、日本におけるDOAMの働きは、1970年代に富坂キリスト教センター(東京都文京区)の創立へとつながった。同センターはそれ以来、社会倫理に関する活動をしている。