米カリフォルニア州レイクフォレスト市のサドルバック教会の牧師で、『Purpose Driven Church(PDC、邦訳:健康な教会へのかぎ)』の著者でもあるリック・ウォレン氏は先日、ルワンダの首都キガリ市で開かれた記者会見で、来年の感謝の祭に合わせて、アフリカ大陸の54カ国から牧師と教会リーダーたちをルワンダに招き、前例のない大集会を開くつもりだと発表した。
来年8月6日から10日に予定されている、このオール・アフリカPDC大会は、「ルワンダ・シマ・イマナ」という比較的新しい祝行事であり、ルワンダ大虐殺を記念し和解を祝う「感謝の日」に合わせて開催される。
この大会は、2020年までにアフリカ大陸全体を対象とする5つの年次大会の1回目となる。2回目は2016年で、ラテンアメリカで開催される予定だと、関係者は言う。
「ルワンダには何度も来ていますが、今回が今までで一番重要な旅でした」とウォレン氏。「私は、ロシア、中国、インド、アメリカ、そしてアフリカ30カ国から、100人以上の教会リーダーたちを連れて来ました。2015年の大会に向けて、彼らにルワンダで起きていることを見てほしい。ルワンダの国自体とここの教会の成長、発展、前進を見てもらいたいのです」
ウォレン氏の説明によれば、2003年に南アフリカで講演中に「ピース・プラン」のアイディアが生まれ、その2年後ルワンダのポール・カガメ大統領からの要請を受けて、ピース・プランが実現し、ルワンダが最初の「健康な」国となっていったという。
「私は約10年にわたり、ルワンダの教会を見守り、彼らと協力してきましたが、今こそ彼らが世界中の教会にとって良いモデルとなれる時だと思います」とウォレン氏。「ルワンダのように20年前に世界中から背を向けられて、非常に苦しんでいた小さな国を神様は目にかけ、ご自身と善のために役立てたのです」
またウォレン氏は、まもなく教会リーダーたちのトレーニングがルワンダで始まり、2015年の大会でも継続される予定だと強調した。このトレーニングでは和解を強調し、ルワンダ人のリーダーたちが、1994年の大虐殺以降のゆるしと癒しに関する自分たち自身の体験を分かち合う予定だ。大虐殺では、100日の内にルワンダ人100万人の命が奪われ、100万人の子どもたちが孤児となった。
「中東和平への鍵もルワンダにあると私は思います」とウォレン氏。「世界の首脳たちはルワンダを研究すべきです。ルワンダをモデルとすべきなのです」
記者会見には、ルワンダ・ピース・プランの役員会委員を務める牧師12人とピース・プランの主席トレーナー8人も同席した。「あなたたちが気づいているかは別にして、この人たちが世界のリーダーたちです」とウォレン氏。「彼らがルワンダの教会と協力して行っていることを、世界中の教会が見守っているのです」
ピース(PEACE)・プランの目的は、和解をプロモート(PROMOTE)し、リーダーたちを育成(EQUIP)し、貧しい人々を援助(ASSIST)し、病人をケア(CARE)し、次世代を教育(EDUCATE)するという多大な努力を通じて、世界中の何百万人ものクリスチャンが5つの巨大悪――霊的空虚、自己中心的なリーダー、極貧、病気、無教育――と闘うよう促すことであるという。
世界の197カ国全てにおいてピース・プランを実施するため、サドルバック教会はその創立以来、2万3000人のメンバーを送り出してきた。
「ほとんどの国が、自分たちが輸出するものによってその強みを測られます。ルワンダはリーダーシップの輸出で有名になれます」とウォレン氏。「アフリカ大陸において、ルワンダがリーダーシップと改革の中心となるべきです。だからこそ、来年ルワンダにアフリカ大陸中からリーダーたちを呼んで来て、彼らに学んでもらおうというのです。ルワンダの強みは土地にあるのではありません。人々こそその強みなのです」
ルワンダでのピース・プランを通じて、サドルバック教会は、ルワンダの公共部門、民間部門、そして宗教部門――いわゆる政府、企業、教会という3本柱――と協力し、貧困層率を下げ、孤児院に住む孤児の数を減らし、健康保険を提供し、牧師を育て、教育を提供するのを援助してきた。
「ピース・プランのユニークなところは、地元の教会によって実施されているということです」とウォレン氏。「世界中には、その社会には教会しか存在しないという村が千万はあります。教会こそ地球最大の組織なのです。やる気を起こさせさえすれば、善を行う最大の力を持っているのです」
この「健康な教会へのかぎ」となるピース・プランで3年間の集中トレーニングを受けた牧師は3200人以上。これらの牧師たちの教会では、マイクロセービング・クラブや、幼稚園、土地の広さは変えずに収穫を2倍にする方法を教える農場主トレーニングプログラムに至るまで、あらゆるプログラムを提供している。
メディアサイト「AllAfrica.com」の伝えるところでは、「ルワンダ・シマ・イマナ」はキリスト教系の感謝の記念日であり、「ルワンダのキリスト教会のほとんど全てに影響力を持つウォレン牧師発案による『ピース・プラン』が、2012年に始めたもの』だという。「この日は、信者一同集い、ルワンダと教会における前進を神に感謝する日です」と、「AllAfrica.com」は説明している。
3回目の感謝祭は2015年8月17日にアマホロ・スタジアムで行われる。ウォレン氏は、ルワンダの大統領顧問委員会のメンバーであり、「ルワンダ・シマ・イマナ」を国民の祝日にしたいと願っている。
「この記念日が、世界中の一部の地域でのように、ルワンダでも国民の祝日となることが私の願いです」とウォレン氏。「大虐殺から20年後、ルワンダは新しい国になりました。ルワンダの発展を見守ってきた私たちには、ただ神様がルワンダに対してしてくださったことをたたえるより他にありません」
サドルバック教会のルワンダにおける活動、またはピース・プランに関する詳細は、http://www.saddleback.com、または、http://www.thepeaceplan.comで閲覧できる。「ルワンダ・シマ・イマナ」に関する詳細は、http://www.shimaimana.rwで閲覧できる。