全国キリスト教学校人権教育研究協議会は、8月7日から8日まで福岡女学院中学高等学校で、第25回全国キリスト教学校人権教育セミナーを同実行委員会の主催で開催した。同セミナーでは下記の4つの決議が行われ、それらを求める要望書が下村博文文部科学大臣などに送られるべく作成された。
1. 日の丸・君が代の強制をやめ、反対する教職員の処分をやめてください。
2. 「高等学校等就学支援金」の朝鮮学校への即時支給と 外国人学校の抜本的な支援策を講ずること。
① 朝鮮高校について至急告示をして就学支援金の支給の対象とすること。
② 法の速やかな改正によって、各種学校資格がなくとも子どもたちに高等学校レベルの教育を行なっている外国人学校を就学支援金の支給の対象とすること。
③ すべての段階の外国人学校に抜本的な支援策を講ずること。
3. 文部科学省及び、上記委員会による「歴史教科書採択」への不当な圧力、並びに採択方式に関 して、以下の 2 点について強く抗議し撤回を求めること。教科書採択は、本来「学校単位」で考えるべき教育内容である。
① 実教出版『高校日本史A・B』への採択妨害
② 育鵬版『新編新しい日本の歴史』の問題性と現場の声を無視した横浜市全市一括採択方式
これらのうち、舛添要一東京都知事や松井一郎大阪府知事などに宛てられた1では、「2003年以降だけでも全国で500人を超える被処分者は、教育的良心を守ろうとした人であり、また戦争国家体制を押しとどめようとしている人たちです。私たちはこの人たちへの処分を認めることができません。直ちに処分を取り消し、再雇用拒否などの不利益措置をやめるよう求めます」と述べている。
2は安倍晋三首相にも宛てられている。
また4について同協議会は、「私たちは道徳の『教科化』に反対します。『教育は国家百年の計なり』と言われてきました。人間形成の根幹にかかわる教育内容の変更を拙速に推し進めようとする強引なやり方には賛成できません。戦前の国家主義的道徳教育により、子どもたちや若者を間違った方向へと導いた事実と責任を想起し、歴史の教訓に学び、道徳教育の内容について慎重に検討すべきです。道徳を『教科化』する必然性は全く認められません」と述べている。