パソコンの画面をスクリーンに写し出すソフトウェアー・プログラムのことを「パワーポイント」というのが普通だ。だが、「パワーポイント」という言葉の本来の意味は「ソケット」あるいは「コンセント」のことである。プラグを差し込むと電気が流れ込む「電源」のことだ。
2.マーデンの成功するための「5つのパワーポイント」
成功者の記事を載せる「サクセスマガジン」という有名な雑誌がある。オリソン・スウェット・マーデンは、「サクセスマガジン」に過去百年間に掲載された3万件に及ぶ成功データを丹念に調査して分析した。
マーデンはそこから、「成功の秘訣」として次の5つの基本的な条件を抽出した。
①勇気(Courage)-新しいことをする力
②忍耐力(Persistence)-スタートしたことを継続する力
③勤勉(Diligence)-一生懸命に努力する力
④集中力(Concentration)-エネルギーを一点に絞り込む力
⑤自信(Confidence)-自分の成功を固く信じる力
成功するための「5つのパワーポイント」である。勇気、忍耐力、勤勉、集中力、自信の5つの条件を満たせば、多くの問題を解決することができる。
でも、すべての問題を解決できるわけではない。
3.聖書の「唯一のパワーポント」
聖書には唯一のパワーポイントについて書かれている。
①宇宙万物を創造した創造主なる神は「発電所」である。
②神と一体であるイエス・キリストは「パワーポイント」である。
③神のイメージに造られた私たちは「電球」である。
④神を信じる信仰は「プラグ」である。
「信仰」という(プラグ)をイエスという1つの「電源」(パワーポイント)に差し込んでつなぐと、私たち(電球)は、創造主の巨大な(発電所)から無制限の電気が流れ込んできて明るく輝きつづけることができるのである。創造主の永遠・無限のいのちは、信仰によって、イエスを通して、私たちにふんだんに流れ込んでくる。
「創造主のいのち」の中には、愛、喜び、平安、知恵、力、希望、謙遜、自制などのすべて良いものが含まれている。勇気、忍耐力、勤勉、集中力、自信という成功するための5つの力もすべて含まれている。健康、いやし、豊かな繁栄、安全という恵みの結実もすべて含まれている。
だから、成功するために、あるいは問題を解決するために、5つのパワーポイントに別々にプラグを差し込む必要はない。ただ一つのイエスのパワーポイントに差し込めばよいのだ。
マーデンの「5つのパワーポイント」は、成功するための方法にすぎない。「一体何のために生きるのか」「何のために成功するのか」という人生の最も大切な意義や目的は教えてくれない。方法を教えてくれるだけで、現実に助けてはくれない。方法通りに自分でがんばって努力しなければならない。良い結果が出なければ、自分のせいか、他人のせいである。
実は、多くの人々が成功者になろうとしてこの方法を実行しようとするが、ほとんどが途中で挫折してしまう。運よく成功した人も、いつも他人と比較しているから、それは相対的な成功にすぎず、決して満足することがない。最後には、むなしく世を去っていく。
イエス・キリストは、「人は何のために生きるのか」「どのように生きるべきなのか」という人の生きる目的と生き方を教えてくれる。目的と意義と方法を教えてくれるだけでなく、イエスは私たちと一緒にいてコーチしてくれる。もしよくできなければ、イエスは現実に助けてくれる。他人と比較する必要がないから、いつも真の意味での成功者として満足することができる。真の成功者とは、イエスと共に生きる人である。イエスに愛されて永遠の命を生きる人である。真の成功者になるチャンスは、誰にでも平等に与えられている。
マーデンの成功の「5つのパワーポイント」は小さな5つの乾電池(バッテリー)にすぎない。それは懐中電灯を照らすことはできる。しかしその光は小さく弱い。すぐに電池が切れてしまうから、いつも新しい乾電池と入れ換えなければならない。停電になったら真っ暗で懐中電灯がどこにあるかもわからない。わかったとしても電池が切れていてライトがつかなかったりする。イザという時にはあまり役に立たないことが多い。
「イエス・キリストのパワー・ポイント」は、宇宙万物の創造主の巨大な発電所につながっている。地球のある銀河系には2千億個の星がある。宇宙には1千億の銀河系がある。この広大な宇宙を創りそれを運行している無尽蔵のエネルギーは、この創造主の巨大な発電所からイエスを通して送電されてくる。イエスを通して供給される創造主の電力は、尽きることなく永遠に全世界(全人類)を明るく輝かせつづけることができる。
4.ハウ(How)VSフウ(Who)
大切なのは、ハウ(How)ではなく、フウ(Who)である。
「問題を自分で解決する方法は何か」ということも大切だが、「問題を自分のために解決してくださる方は誰か」ということの方がはるかに大切なのである。
この世には問題は数限りなくある。それら全部を自分で解決することは到底できない。また、そうすべきでもない。
私たちひとり一人の責任は、各人に与えられた問題に取り組んでいくことで必要十分である。その他のことは、神にまかせればよいのである。
「神の国と神の義をまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。だから明日のための心配は無用です」(マタイ6:33、34)
要するに、イエス・キリストを通して神につながることを、あなたの生活の最優先順位としつづけなさいということである。そうすれば、あくせくしなくても、日々生きるための必要は十分に満たされるということである。
「主は私にかかわるすべてのことを成し遂げてくださいます」(詩篇138:8)
愛の神はあなたにかかわるすべてのことを成し遂げてくださる。だから明日のことを思い煩う必要はない。働きすぎて自殺したり、家庭をかえりみず離婚したり、不正を行って刑務所に入ってしまうこともない。
何かができても、できなくてもよい。強くても弱くてもよい。家族や友だちと仲良く生きることが大切である。
5.あらゆる問題を解決するパワーポイント
イエスこそが、「あらゆる問題を解決するパワーポイント」である。私たちはイエスを信じることによって、日々の生活の中でイエスを第一として生きることによって、自分にかかわるあらゆる問題を解決することができる。
創造主の持っているすべてのものが、イエスというパワーポイントを通して、私たちに流れ込んでくるからである。問題を解決するための力、問題を解決するための知恵、問題を解決するための愛が、ふんだんに与えられてくる。あらゆる問題が全知・全能の愛の神の御手のうちにあることを悟り、私たちがイエス・キリストにしっかりつながっている限り、それらは本質的にはすでに解決していることがわかる。
イエス・キリストが、私たちの罪が赦されるために十字架にかかって死んでくださり、私たちに永遠のいのちを与えるために復活してくださったという歴史的事実(霊的真実)によって、私たちの罪、病い、悪しき霊の攻撃からもたらされるあらゆる問題は根本的にはすでに解決していることを悟るのである。
いかなる問題も、イエスに結ばれている私たちを害することは決してできない。逆に、イエスによって、すべての問題が私たちの益となるようにされていくことを体験する。私はこれを毎日体験している。
あらゆる問題を解決する唯一最高のパワーポイントはイエス・キリストである。イエス・キリストご自身が、すべての問題の解決となってくださっているのである。
「神は、あなたがたを、常にすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれる者とするために、あらゆる恵みをあふれるばかりに与えることのできる方です」(Ⅱコリント9:8)
佐々木満男(ささき・みつお)
国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。
■外部リンク:【ブログ】アブラハムささきの「ドントウォリー!」