グローバル・スタンダードとは、一言で言うならば、アメリカのスタンダードになっています。それは欧州から渡った文化であり基準でもあります。かつてピューリタン(清教徒)は、欧州大陸から自由を求めてアメリカ大陸に渡り、アメリカという国を建国しました。信仰の自由を求めた彼らが、バイブルに立ち理想的な自由の国を築こうとスタートしました。そしてアメリカ大陸という新天新地で、キリスト教のバプテスト派が主流を占めるようになりました。そもそも「バプテスト」という言葉は「バプテゾー」というギリシャ語から出ています。それは「水に浸す」という意味です。彼らは新天新地で水に浸り(水洗礼)、新しくスタートしようと願うバプテスト派が主流を占めるようになりました。その流れは今日も続いています。これまで世界の流れはアメリカ主導型で来ていますが、今また欧州が台頭しつつあります。特にベルリンの壁の崩壊(1989年11月)後、EU(欧州連合)は急進的に拡大し伸びています。現在、EU加盟国は25カ国を数え人口は4億6千万人、アメリカ人口の1・6倍にもなります。これからEU憲法の問題もありますが、時間の経過とともに、EUは必然的にパワーを増していくことと思われます。
するとアメリカとEUという巨大な国々、いわゆる欧米が先導する世界になると思います。グローバル化された世界では、一国が孤立して存在することはできません。経済の結びつきを強めることで、互いの経済的利益を追求しようとします。実はグローバル化は聖書が語る世界でもあります。グローバル社会で通用する言語は英語です。これまではドイツ語やフランス語やスペイン語、特にビジネスの分野で南米あたりではスペイン語でした。ビジネス言語は、今やどこに行ってもほとんどが英語となりました。エストニアに行っても、フィンランドに行っても、ドイツでもビジネス言語はすべて英語です。すなわち、世界を包む言語はインターネットを通して短い時間に単一化されてきたことです。それがグローバル・スタンダードで、英語という言語が世界を支配する時代です。これからの日本人は、国際化社会で英語は必然的要素となり、英語をしっかりマスターすることは必要となります。ビジネスは言語を介して初めて、世界を股に掛けて可能となります。
そう考えてくると、この「個」、「ペルソナ」がますます問われてきます。英語を学ぶにしても、ビジネスをするにしても、オリジナル性を打ち出すにしても、何をするにしても結局「個」が問われます。三角形のピラミッド型の図を想像してください。右方に行くほど重要性の程度、上方に行けば行くほど表面に出てくる分野です。すなわち、最下段に個人生活があります。誰も他人様が分からない、自分しか分からないプライベートな生活があります。このプライベートの生活の上に自分をしっかりと支える、いわゆる精神生活があります。これが第二段目です。精神生活に重点がおかれた昔の日本、例えば仏教が熱心であった時代、あるいは儒教が非常に熱心であった時代、アメリカで言えばキリスト教がしっかりと根付いた時代、社会は安定し個人を支えました。そして、その上の最上段に社会生活の自分があります。すなわち、社会で表に出る自分は、じつは個人生活、精神生活の上に立つ自分です。
逆を言うと、個人生活が、いわゆる「個」がしっかり作られなければ、あるいは精神面で精神生活がしっかりと形成されなければ、表に出ている自分は見せ掛けの自分であり、本物の自分ではありません。これはクライアントとの取引や付き合いで、すぐ判明し分かることです。「個」を作り上げることは、大変重要なことです。
■ キリストの人材教育: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)
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黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)
1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。