ローマ法王ベネディクト16世は8日、法王の座に即位して以来初めての洗礼を授けた。人々に信仰の道を再確認させるために、法王は事前に準備していた説教文を無視して21世紀の今日に見られる野蛮に満ちた行過ぎた文化を古代ローマ帝国の文化と比較し、現在の世の中を「死の文化」に満ちた世の中であると表明、現代社会の性的な乱れに対して深い遺憾と警告の意を表明した。
法王は「今日の私たちの時代において私たちクリスチャンはこの死の文化が絶大な支配力を誇る中ではっきりとこのような退廃した文化に対し"NO"と言わなければなりません」と断言した。
システィーナ礼拝堂で厳かに行われた説教の中で「自己責任能力に欠ける性衝動の中に見られる麻薬や現実逃避、幻覚、虚偽の幸福によって支配されたあるべきではない文化に満たされている」と語った。
前ローマ法王であった、ヨハネパウロ2世は妊娠中絶を記述するのに「死の文化」という言葉をよく使用していた。そしてベネディクト16世は「死の文化は古代ローマ帝国時代において嘘と騙し事に満ちた愛を意味しました。これは体を商品として濫用することでした。そして今の私たちの時代においてさえもこのような死の文化は蔓延しており、私たちはこのようなあらざる文化に対してはっきりと"NO"と言わなければなりません。」これは法王が初めて、事前に用意しておいた説教用の文章を無視して心から感じていることを直接メディアに強く訴えた場面であった。
説教の中でまた法王は人々をキリスト教徒の共同体に招き入れるのに洗礼の重要性を強調した。
「この洗礼はイエスキリストに対する"YES"であり、死の勝利者に対する"YES"であり、命に対する"YES"である。」法王は5人の少女と5人の少年に洗礼を施す前にこのようにはっきりと断言した。