31日、お茶の水クリスチャン・センター(OCC)8Fホールにてクリエーション・リサーチ・ジャパン(CRJ)主催の春の一日セミナー2007が開催された。同セミナーのテーマは「ノアの大洪水から学ぶ」。オープニングメッセージを伝えたCRJ理事の奥山実師に続き、同理事の安藤和子氏(京都インターナショナル・ユニバーシティー生物学部長)が「ノアの大洪水と箱船に入った動物たち」という題目で午前の講義を行った。同セミナーにはクリスチャン・ノンクリスチャン問わず、創造論を学びたいと願う170人以上が参加。参加者らはパワーポイントを用いた安藤氏の講義に真剣に耳を傾けた。
「ノアの大洪水は史実なのか、それともお伽話なのか?」という疑問は聖書研究者や神学者、あるいは牧師など聖書を読む者に常に付きまとう問題の一つだ。この疑問を解明するために科学者や歴史家たちが古くから研究を行い、議論を積み重ねてきた。この問題に対して安藤氏は、「科学を科学として理解するならばノアの洪水が事実であったことの証拠が地球のあちこちに残っている」と述べ、「ノアの大洪水があったことは科学的に見ても明らかだ」と訴えた。さらに安藤氏は、ノアが「キリストの系図」に至る歴史上の重要人物として聖書の様々な箇所に記録されていること、イエスがノアと箱船のことを事実として承認し、証ししていること(マタイ24:37)を取り上げ、「ノアの大洪水があったことは聖書的に見ても確かである」と主張した。
次に安藤氏はノアが主の命令に従って完成させた「箱船」について解説した。安藤氏によると現在多くの専門家による分析と研究により、「ノアの箱船」が造船技術の黄金比(30:5:3)に基づいて設計されており、船として最も安定した構造を持っていたことが判明しているという。このことに関して安藤氏は、「主は初めから全てご存知だった」と語った。
続いて安藤氏は、主がノアに「箱船の長さは300キュピト。その幅は50キュピト。その高さは30キュピト(創世記6:15)」と命じられたことに言及した。これは現代の単位に直すと長さ137m、幅23m、高さ13・7mになり、普通の貨車・車両522台分の容積になると安藤氏は説明。同氏によると箱船に入った動物たちを入れる檻の大きさや動物用空間の容積も計算されており、推測では7万5000匹くらいの動物たちが入ったのではないかと研究されているという。そのうえで安藤氏は、「あまり楽ではなかったがすごく混雑していたというわけではなかったようです。動物たちが生活できるある程度のスペースがあり、その時必要だった分の全てが備わっていたと考えられています」と語った。箱船に入った動物たちの種類については、1万8000種以下の陸生生物種がいたと生物分類学者たちによって見積もられているという。
また、「洪水の水はどこから来たのか?」という疑問について安藤氏は、「巨大な大いなる水の源が、ことごとく張り裂け、天の水門が開かれた(創世記7:11)」という記述に基づき、二つの水の源があると説明した。つまり、「全世界でほぼ同時に地下と海底が割れ、地殻の下の水が噴出した」、続いて「全世界で40昼夜の間、継続的で激しい土砂降りの豪雨があった」という。
さらに、「ノアの洪水は局地的なものだったのか?」という疑問に関して安藤氏は、「裁きは全地球に対して行われました。もし洪水が局地的なものだったのなら、その地域以外に生きていた人々は神の裁きを免れたはずです」、「局地的な洪水だったのなら箱船を造る必要がなかったはずです。なぜなら移住すれば逃げることができるからです」などと述べ、局地的洪水説を否定した。
動物たちの生命を支えるために必要な酸素・水・食料・排泄物処理については、「それらを確保するための何かしらの工夫と設備が整えられていたと思う」とコメントした。一方、船の中であったため動物たちの代謝の活性が低下し、活発な活動を行わなかったとも言われているという。また、「箱船での生活は至極平穏であったと推測される」と安藤氏は語った。
安藤氏自身も以前は進化論を当たり前のものとして受け入ていた生物学者であり、創造主を真剣に受けとめず、人の後ろから揶揄していた一人だったという。しかし安藤氏は、「聖書の記述を科学的に解明しようとする中で、徐々にその記述が正しいということが明確になってきました。今は日本人たちにノアの大洪水の事実を知ってもらいたいです」と証しした。
クリエーション・リサーチは、聖書に記されている6日間の天地創造をそのまま信じるに値することとし、聖書が非科学的ではないことをわかりやすく伝えることで信仰者や求道者を励まし、聖書信仰への確信を与える手助けを目的として活動する創造論伝道団体。詳細についてはCRJのホームページまで。