ベトナムプロテスタント教会指導者らは伝道大会開催のためにかねてからベトナム政府に働きかけ、イベント開催当日の9日土曜日のイベント開催時間3時間前にやっと政府から伝道大会開催許可を取得し、無事開催に至った。当初伝道大会は野外で行われる予定であったが、政府の許可が下りず、替わりにサッカースタジアム内での開催となった。
伝道大会終了後の11日、パラウ氏は「ベトナムでこのような歴史的な取り組みに参加できたことに恐縮しております。ベトナムのキリスト共同体は情熱に溢れています。とても愛国心にあふれ、また楽観的でもあります。この国の将来に大変わくわくしています。これからのベトナムを見るのが楽しみです。ベトナムを愛していますし、心から喜んでいます。神様の御心のままに、この国に長年にわたって仕えていけることを楽しみにしています」と述べた。パラウ氏の息子のアンドリュー・パラウ氏も伝道大会に参加した。ルイス・パラウ協会の報告によると、今回の伝道大会で数千人もの聴衆がイエスキリストを信じると告白するに至ったという。
9千万人の人口を抱えるベトナムにおいてプロテスタントキリスト教徒の割合は0.5パーセント、カトリックの割合は6.7パーセントとなっている。ベトナムでは礼拝する自由は、基本的人権ではなく、特権のひとつと見なされている。ベトナム政府は1990年代になって宗教活動を許可し始めたが、ベトナム政府当局に登録した宗教団体のみ活動が可能とされ、登録許可を受けた宗教団体が政府ガイドラインの枠組みに従って活動を続けてきた。そのような中にあって、1975年にベトナムが共産化して以来、国際的なキリスト教指導者が同国でこれほど大勢の聴衆に向かって福音を伝えられた大会は今回が初めてであり、まさにベトナムキリスト教の歴史に残るイベントとなった。
ベトナムの主要プロテスタント教会の牧師ホ・タン・コア氏は「パラウ博士をベトナムにお招きでき、大変喜ばしく思っております。パラウ氏は教会に仕え、私たちをすばらしい福音伝道大会に招いてくださるパイオニア的存在です」とパラウ氏を称賛した。パラウ氏は15日-16日にかけて、ベトナム首都ハノイの福音伝道イベントにも招待されている。ベトナム国内教会指導者らは同イベントに関しても政府許可を得ることができるように尽力している。6月には米オレゴン州を拠点とする福音伝道者がベトナムダナン市およびハノイ市で福音伝道大会を開催する予定であるという。