【CJC=東京】英内務省は2月13日、婚姻法を改正し、同性間カップルが宗教的「結婚式」を行うことを認める方針を明らかにした。リン・フェザーストーン内務閣外大臣(平等担当)の発表では、イングランドとウエールズにおいて禁止されている、宗教的設定の元で市民間の「結合」式典執行を認めようというもの。ただ礼拝堂で行われる同性間の「結合」式典が正規な「結婚」とされるのか、は明確ではない。
現行のシビルパートナーシップ法は2005年12月に施行された。無宗教形式による同性間の「結合」式典実施を認めたもの。その次の段階として宗教団体が同性結婚式を行うことを認める方向で検討すると言う。内務省は「同性間カップルが望むなら、宗教的設定の中でその関係を証明することを宗教団体としてどのように許すかを含め、シビルパートナーシップの次の段階として宗教団体が同性結婚式を行うことを認める方向で政府は検討する」と言う。
シビルパートナーシップ法は、同性間カップルにも異性間の婚姻とほぼ同等の権利を認めているが、差別的だ、との批判もある。同性愛者の権利擁護派は、同性間のカップルにも「結婚」を認め、一方で異性間カップルにもシビルパートナーシップを認めるべきだ、という。
今回の内務省の方針に、英国国教会は直ちに教会堂や関連施設での同性間の「結合」式典を認めないと言明した。内務省の案は「矛盾」と「混乱」をもたらす、と言う。ただヨーク大主教のジョン・センタム氏は公営BBC放送で、「自由民主主義を信じており、それは実際には全ての人が平等であることを望む」と慎重ながら受け入れの方向を示唆している。
またサンデー・テレグラフ紙は、クエーカーやユニテリアン、ユダヤ教自由派などは、内務省案に理解を示している、と報じた。
英国立統計局によると、2010年5月現在、英国内の同性間カップルは2万6000組。