メキシコの中央地域の「沈黙の円環」で奉仕を始めた宣教師夫妻マルコスとベアトリスは(安全のため夫妻の名は仮名となる)、サタンによる直接的な声や深刻なうつ状態といった激しい霊的攻撃にさらされた。さらに、隣人による毒殺未遂により、2歳の娘が命を落としかけるという絶望を経験するが、神の守りによって生還。現在は小さな学校を開き、そこを拠点に、地域社会への宣教を続けている。(第1回から読む)
メキシコ社会に深く根ざした男性優位の文化「マチスモ」は、この「沈黙の円環」において女性たちの尊厳を徹底的に踏みにじっている。虐待や放置、そして将来への絶望から自殺を選ぶ女性も少なくない。ベアトリスが開いた小さな学校は、そのような窮地にある女性たちのシェルター(避難所)として機能していったのだ。
読み書きや音楽レッスンの合間に、ベアトリスと共に聖書を読み、祈り、賛美を歌う中で、これまで「自分には価値がない」と思い込まされてきた女性たちが、「たとえ誰も私を愛さなくても、神は私を愛しておられる」という真理に触れ、内面的な癒やしを経験し始めている。しかし、信仰を持つことには常に高い代償が伴う。ある女性は「家族に知られれば即座に勘当され、家を追われる」という恐怖の中で集まりに参加している。
また別の女性は、キリストに従うことで性格が穏やかになり、夫の暴力に対して以前のようにののしり返さなくなったことが、かえって夫の怒りを買っていると告白した。夫たちは、妻が自分たちのコントロールから離れ、主にある自由を見いだすことを極端に嫌い、支配を強めようとするからだ。
しかし、ベアトリスは確信している。「私の体験したうつや悲しみは、彼女たちの痛みを癒やすための備えだったのです」。沈黙を強いられてきた女性たちが今、主の前で声を上げ、希望の歌を歌い始めているのである。
「あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします」(ヨハネ8:32)
カルテルの暴力とマチスモの呪縛の中にいるメキシコの信仰者たちが、主の御翼の影に守られ、隠されるように。宣教師夫妻の働きが祝され、この「沈黙の円環」に真の自由がもたらされるように。そして、抑圧の中にいる女性や子どもたちが保護され、福音を信じ、主にある平安の中で養われるように祈っていただきたい。
■ メキシコの宗教人口
カトリック 77・7%
プロテスタント 11・2%
無神論者 3・6%
土着の宗教 1・2%
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