Skip to main content
2026年6月24日22時50分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
聖ニコラスの生涯

サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(31)夢の中での再会

2025年10月29日14時47分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
  • ツイート
印刷
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(1)孤児ニコラス+
聖ニコラスの肖像画(画:ヤロスラフ・チェルマーク)

紀元305年。突然ローマ帝国の政治情勢に変化がもたらされた。――というのは、西ローマ皇帝マクシミリアヌスと東ローマ皇帝ディオクレティアヌスはそろって引退を表明し、政界から身を引くことになったのである。

「キリスト教禁止令」はローマ法に基づいているのでそのまま残されたが、実際に弾圧を命じるディオクレティアヌス帝が公的な場から退いて何の権威もなくなってしまったので、その後はクリスチャンの逮捕や拷問、処刑は一切行われなくなった。

ディオクレティアヌスの後を継いで東ローマ皇帝となったガレリウスは、個人的にはキリスト教に何の興味もなかったが、不当な仕打ちを受けてきたクリスチャンたちに同情的であった。それで、法の許す限り、彼らの生活を締め付けている縄目を緩めて、自由な生活を送れるようにしてやったのだった。

年が変わり、紀元306年7月のある朝のことだった。ニコラスは昨夜から「教会堂が与えられ、また子どもたちにイエス様のお話を聞かせることができますように」と祈っていたのだが、明け方の淡い光の中でうとうととまどろんでいた。

――そして、彼は夢を見た。いつの間にか、あのローマ軍兵士によって壊されたミラの教会のがれきの中にひざまずいていたのである。すると、天からこんな声がした。「一人の軍人をあなたの所に遣わそう。彼は破壊された地上の教会を再び建て直し、聖職者たちを元の務めに戻すだろう」

はっとして目を凝らすと、まだ薄暗い中に暁の光が差し始め、そこに一人の若者の姿が浮かび上がってきたのである。「あなたは、どなたですか?」ニコラスが問いかけると、彼は顔をこちらに向けた。どこかで見たことのある人物である。

誰だろうか――と考えるうちに、ようやくそれは、かつてアレクサンドリアの都で出会い、連日のように図書館で語り合った親友コンスタンティヌスであることを知った。

「また会えましたね。あなたはどうしてここへ?」なつかしさに、思わず走り寄ってその手を取ろうとした。しかし、彼は悲しそうな顔でつぶやいた。

「われわれローマ人は、あなたがたに対して負い目がある。私はそれを償いたい。だからこそ、何としても戦いに勝って、権力の座に就きたいのです」。そして、もう一度こちらを見つめると、再び朝もやの中に消えていった。

ニコラスは、はっと目を覚ました。どうして17年も前に異国の地アレクサンドリアの図書館で出会ったあの軍人の息子のことを夢に見たのだろう。そういえば、彼は今どうしているだろう。

気にかかったニコラスは、今は友人のようにしている州知事セルギオに聞いてみた。すると、意外な返事が返ってきた。

「彼は西ローマ皇帝コンスタンティウス・クロルスの息子です。軍事に対して天才的な頭を持っていて、戦略にしても、外交にしても成功を収めています。つい最近もライン川を越えてローマに侵入したゲルマン民族と話し合いで万事解決し、一滴も血を流すことなくローマに戻ったということです。人望も厚く、彼は次期副帝になるのではないかとうわさをする者もいます」

ニコラスは仰天した。あの時、コンスタンティヌスは、自分は軍人の子だという身分しか明かさなかったが、彼の父親は今、西ローマ皇帝となっているのか。(それでも私は信じる。私たちはきっとまた会えます)別れるとき、彼はそう言って自分の首に金の鎖をかけてくれたのだった。ニコラスは、急に彼に会いたくなった。

それから間もなく、さらに驚くべきニュースが知事の元に届いた。それは、西ローマ皇帝コンスタンティウス・クロルスが死去したこと。次期皇帝リキニウスの副帝にコンスタンティヌスが就任したが、多くの人が彼に期待を寄せる中、反感を持つ者も少なくないということであった。

特に先帝マクシミリアヌスの息子マクセンティウスはことのほかコンスタンティヌスを憎み、亡き者にしようと命を狙っているというのである。(軍人は常に死と背中合わせなのです)図書館で語り合ったときの彼の言葉がニコラスの胸によみがえってきた。

(夢を見たのは、もしかしたらコンスタンティヌスがとてもつらい立場にあるからではないだろうか)ニコラスは彼の身を案じた。そして、この親友のために一日中祈り続けるのであった。

*

<あとがき>

ニコラスが伝道者になるためにアレクサンドリアの「キリスト教大学」に入ったとき、図書館で一人のローマ人の若者と出会いました。これこそ、後に東ローマと西ローマを一つに統一し、キリスト教を公認した若き日のコンスタンティヌス大帝その人でした。2人は親しくなり、またの再会を約束して別れていきました。

ずっと後に、ディオクレティアヌス帝のキリスト教徒迫害により、ニコラスが幽閉の身になったころ、コンスタンティヌスも苛烈な政治情勢と、帝位を巡る血みどろの闘いの中で苦闘していました。

そんな中、不思議なことが起こりました。コンスタンティヌスとニコラスは、夢の中で再会を実現するのです。愛する者同士が夢の中で会うということは現実に起こり得るとされていますが、この時からニコラスとコンスタンティヌス帝は、運命の絆で断ち難く結び合わされていくのです。まさにこの2人が出会わなかったら、キリスト教は全世界に伝えられなかったでしょう。

<<前回へ     次回へ>>

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

関連記事

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(30)歴史の振り子

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(29)獄を照らす光

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(28)ニコラス司教逮捕される

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(27)希望のかけらも残らずに

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(26)故郷の没落

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 日本キリスト教海外医療協力会、新会長に柳澤理子氏 椙山女学園大学教授

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(6月23日):東アフリカ 迫害国家への「逆流」─帰国者とアフリカ人宣教師③

  • 「重要な希望のしるし」 世界教会協議会のピレイ総幹事、米イラン覚書を歓迎

  • ワールドミッションレポート(6月19日):インドのムンダス族のために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月24日):メキシコ カルテルと伝統の狭間で─暴力に耐えるキリストの弟子たち

  • 日ごとのパンを求めて―ジョージ・ミュラーの生涯(6)フランケの「孤児の家」

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 聖書原語への招き─霊に燃え、主に仕えるために(11)パン種の譬えで示す神の国 白畑司

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • 両足に6本の指持って生まれた少年、キリスト教慈善団体の医療支援受け走れるように

  • トランプ氏のイラン戦争と移民政策、福音派で評価二分 否定的回答が半数超える

  • 「世界難民の日」 ワールド・ビジョンが8カ国で調査 子ども守る「自立」の重要性訴え

  • 中国当局、秋雨聖約教会の礼拝を摘発 信徒33人を拘束

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 米メガチャーチがビーチで洗礼式、過去最多の2552人が受洗

  • 着工140年以上のサグラダ・ファミリア、主塔「イエスの塔」完成 NHKが特番

  • 「聴く隣人のいるところ」 キリスト教高校の1年間が伝える「自由とは何か」問う大切さ

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 神学の限界と突破口(4)第1章 主な論争と解決─「贖罪論」の論争 三谷和司

  • 戦後のキリスト教ブームの中で生まれた口語訳聖書、今にも生きるキリシタン時代の聖書訳

  • 聖書全巻の翻訳、800言語で完成 飛躍的に加速する聖書翻訳

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 「ありがとう」か「あたりまえ」か 佐々木満男

編集部のおすすめ

  • 「今、求められているのは、慰めと癒やし」 能登被災者支援でゴスペルコンサート

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 芥川賞作家の鈴木結生氏らが登壇、青山学院大学で口語訳聖書刊行70周年記念講演会

  • 四国の教会が教団教派超え一致 「愛と希望の祭典・四国」閉幕、延べ3千人以上が参加

  • 「あなたの人生は、必ずよみがえる」 第63回首都圏イースターのつどい

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.