イスラム教団体がオンラインの動画で、毎年200万人のインドネシア人イスラム教徒がキリスト教に改宗していると主張している。
イスラム系テレビ局のためのオンライン募金活動をする「マリアムを救え(Save Maryam)」は、現地調査と政府の政策文書に基づき、2035年までにインドネシアがイスラム国家でなくなると予測している。批評家たちは、これらの数字は警戒心をあおるために誇張されている可能性が高いと指摘している。
一方、他の統計に目をやると、世界最大のイスラム人口を持つインドネシアでは、キリスト教の顕著な進展が示されている。コーネル大学の研究論文によると、1900年には国民のわずか1%がキリスト教徒だったのが、現在では10・5%に達している。
成長の大部分はイスラム教徒の改宗によって成り立っているのではなく、むしろ中国系インドネシア人や先住民族の中で進行しているようだ。1961年からの10年間、ジャカルタではキリスト教徒がほぼ倍増し(人口の4・8%から8・1%)、ジョグジャカルタでは2・8%から4・6%、東ジャワでは0・9%から1・7%に増加した(コーネル大学のギャビン・ジョーンズ氏の調査)。北スマトラ(タパヌリとニアス・メンタワイを除く)では1933年から71年にかけてキリスト教徒が約100倍に増え、推定8200人から89万1800人に達したことがジョーンズ氏の調査で判明した。
インドネシアは「ほほ笑みのイスラム」の国と称されるほど、イスラム教国としては他の宗教に対して寛容である。1945年の建国時には、パキスタンの急進的なイスラムの主導を拒絶し、国民国家として宗教の自由を認める憲法を制定した。しかし近年では、過激派イスラムが頭をもたげ、教会の焼き討ちや破壊を呼びかけている。実際にキリスト教徒の奉仕者は、そのような外部からの脅威に加え、政府の無関心に直面しながら働いているのだ。
逆境の中でもキリスト教は進展している。スナヤンシティのビリー・ニョトラハルジョ牧師は、国勢調査のデータは過小評価されている可能性があると考えている。彼の教会は、過去4年間で400人から6千人に急増したのだ。彼は「天が開かれ、人々が至る所で救われ、教会の外でも多くの人々が救われている」と語っている。
目下アジアの教会成長をけん引しているのは、中国、韓国、そしてインドネシアだといわれている。世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアだが、そのような国に継続的なリバイバルの火が投じられているというのは何という励ましだろうか。同国の救霊とともに、その霊的な好影響が他のアジア諸国やイスラム教の国々にも及ぶよう祈っていただきたい。
■ インドネシアの宗教人口
イスラム 80・3%
プロテスタント 10・8%
カトリック 3・1%
儒教 0・9%
仏教 0・4%
ヒンズー教 1・3%
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