NPO法人「抱樸(ほうぼく)」の理事長である奥田知志牧師がこのほど、未来に向かって豊かな社会の礎を築くために努力している人の功績をたたえる第7回「未来のいしずえ賞」(教育部門)を受賞した。東京都内で2月26日に開かれた授賞式で表彰された。
同賞は、「学び」の可能性を未来のために生かそうと地道な努力を重ねている人を顕彰することで、持続可能な国際社会の実現に貢献しようと、KODAMA国際教育財団が2018年から始めた。毎年、スポーツ、医療、保健福祉、教育、社会活性化の5部門の受賞者が選ばれている。
抱樸は、北九州市にある特定危険指定暴力団「工藤会」の本部跡地に、さまざまな機能を持った複合型社会福祉施設を建設し、そこを拠点に「希望のまち」をつくるプロジェクトを進めている。「助けてと言えるまち」「家族機能の社会化」「まち全体で子どもを育てる」の3つを目的として掲げ、「子どもの居場所と家族支援」「地域生活サポートセンター」「救護施設」「ボランティアセンター」「コワーキングスペース」「避難所」などの機能を備えた施設の建設を目指している。誰もが学びの機会を得られる社会を実現するための事業として、このプロジェクトが評価された。
受賞に当たり奥田牧師は、「(評価された活動は)当然、私一人でやっているわけではありません。抱樸には多くの仲間がおり、支えてくれる方がおり、さらにはもう一度頑張ろうと立ち上がった多くの方々がおります。そのみんなの存在で抱樸の活動は進んできました」と感謝の意を伝えた。