パレスチナ自治区ガザ地区唯一のカトリック教会「聖家族教会」が先週末、イスラエル軍の空爆で被害を受けた。カトリックの慈善団体「エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード」(ACN)が伝えた。
ACNの11日付の報告(英語)によると、聖家族教会は付近の建物への空爆による破片で被害を受けた。教会の屋根にある貯水タンクやソーラーパネルが破壊され、自動車や小教区の建物も被害を受けたという。
カトリック教会のラテン典礼エルサレム総大司教庁も、聖家族教会が被害を受けたことを認めている。現地にいるACNの協力者は、「私たちに大きな被害がなかったのは、奇跡以外の何ものでもありません」と話している。
聖家族教会の小教区にはロザリオ修道女会の修道院があり、司祭1人と複数の修道女らが、子ども約100人と、特別な支援が必要な約70人を含む避難民約750人の世話をしている。小教区は既に燃料を使い果たしており、電気もなく、安定した通信手段もないというが、修道女らは戦争による深刻な苦難の中、人々の世話を続けている。
ACNは、ガザ地区を含むイスラエル・パレスチナ地域のキリスト教徒ら数千人に、食事や食券、医療品、家賃、光熱費を賄うための経済支援を行っている。しかし、同地区の状況は「日に日に絶望的になっている」という。
ACNの12日付の報告(英語)によると、ガザ地区には約千人のキリスト教徒が住んでいるが、この戦争が始まって以来、22人の死亡が確認されている。このうち17人は、エルサレム総主教庁に属する正教会「聖ポルフィリウス教会」に避難していたところ、10月19日にあった空爆で死亡した。他の5人は医療不足により亡くなったという。
また12日には、聖家族教会の小教区の境界近くで不発弾が発見された。同教会には現在、ガザ地区のキリスト教徒のほとんどが避難しているという。