十数年前、ラオスのソ族でイエスを主と呼ぶ人々はほとんどいなかった。それは、イエスの名や福音のメッセージを聞いたことのある人がほとんどいなかったからだ。ラオスに住むソ族は、霊的にも、地理的にも、手を差し伸べるのが難しかった。
そして時代は変わった。ソ族の教会が形成されることになった重要な契機は、劇的な回心を経験し、人々に信仰を積極的に伝えることになった村の狂人、トンシンの物語だ。奇跡、自発的な弟子訓練、迫害による試練などが重なって作用し、2013年に初となるソ族の教会が設立された。トンシンはその時のリーダーの一人である。
ソ族教会信者のコミュニティーは当初、聖書の多くを知らなかったが、従うには最低限で十分な知識を持っていた。彼らはまた、祈りの力を知っており、神が奇跡的な方法で働かれるのを目の当たりにしたのだ。多くの人々がさまざまな病気のために彼らのもとを訪れ、祈りを求めた。そして、神はそれに応えられ、彼らの多くが神癒を経験した。
最初にソ族の間で働き始めた開拓者たちは、ジャングルでもボートでも、ゲストハウスでも町でも、できるところならどこでも、新しい教会のリーダーたちを育てる弟子訓練を続けた。これらの新しい信者たちは、キリストに従うための基本的なことを教え込まれた。彼らは、礼拝し、祈り、御言葉を学ぶために毎週集会を開く必要があることを理解し、それを忠実に実行したのだ。
このような初期の段階で、ソ族と共に働く開拓者たちは「模範、援助、見守り、離れる」という手順(MAWL)を実践した。やがて、全国教会による按手と正式な委託によって、教会の指導者たちが確立されていったのだ。
数年前のデータだが、現在、東南アジアに18万人いるソ族のうちに7つの教会があり、260人以上の信者に仕えている。ラオスの奥地民族であるソ族の間でさらに福音が広がり、救いの実が豊かに結ばれるよう祈っていただきたい。
■ ラオスの宗教人口
仏教 57・3%
プロテスタント 3・7%
カトリック 0・7%
イスラム 0・1%
土着宗教 34・7%