カンボジアは、同国初のプロテスタント宣教師が宣教を開始して100周年を迎えた。それを祝うために1月、プノンペンで2日間のフェスティバル「カンボジア福音100周年祝祭」が開催された。
1923年にキリスト教宣教同盟(CMA)の2組の米国人宣教師が、教会を建てるため、また聖書をクメール語に翻訳するため、プノンペンに到着した。その時、彼らにはほとんど基盤となるものがなかった。
当時のカンボジアの宗主国だったフランスの植民地指導部は、それ以前には、プロテスタント宣教師がこの国に入ることを禁じていた。
しかし100年前、CMAの宣教師たちは活動の許可を得ることができ、ゆっくりではあるが意味のある前進をし始めたのだ。プロテスタントと独立系のキリスト教共同体は、このようなささやかな始まりから、その後40年の間に徐々に増加し、ついには、より急速な成長という驚くべき衝撃を経験することになった。
しかし1975年、残忍なポル・ポト政権が誕生し、教会の成長は突然止まってしまった。ポル・ポト派は、農耕社会と平等主義を目指すというもっともらしい大義を掲げたが、ふたを開ければ、強制移住や暴力、殺人など、悲劇的な大量虐殺でカンボジアを恐怖に陥れた。有名なポル・ポト派の大虐殺は世界を震撼させた。
1979年にポル・ポト派の支配が終わると、カンボジアのキリスト教は再び芽を出し始めた。わずかに生き残った信者たちは、カンボジアとの国境にある人口の多い難民キャンプで、霊的共同体の再建を始めた。
世界史的にもまれに見る大量虐殺を経験したカンボジアは、まさに涙の谷を過ぎゆくような悲劇を通過したと言わざるを得ない。
そんなカンボジアだが、最近の世界キリスト教データベースによると、同国のキリスト教人口は、東南アジアのどの国よりも増えており、現在、人口の3%近くがキリスト信者となった。
「彼らは涙の谷を過ぎるときも、そこを泉のわく所とします。初めの雨もまたそこを祝福でおおいます」(詩篇84篇6節)
主をたたえよう。彼らの涙は、まさに泉の湧くところとなったのだ。カンボジアの教会と兄姉たちがさらに祝福され、多くの魂を勝ち取ることができるように祈っていただきたい。
■ カンボジアの宗教人口 ※2010年データ
プロテスタント 1・7%
カトリック 0・2%
仏教 83・3%
イスラム 2・3%