「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会」(外キ協)は7日、1月28日に開催した「第36回『外国人住民基本法』の制定を求める全国キリスト者集会」の宣言を公式サイトで発表した。
宣言によると、集会は新型コロナウイルスの感染拡大により、昨年に続いてオンラインで開催。「コロナ禍/コロナ後の移民社会の歴史的課題〜未来世代へのメッセージ〜」をテーマに、外国人住民の権利を求めて活動する各地のキリスト教連絡会(外キ連)や外キ協の加盟教派・団体の代表者ら45人が参加した。
集会では、現在の日本社会の問題を知り、外キ協の歩みを分かち合うことを通して、一人一人の命と尊厳が守られる社会の実現に向け、外キ協運動が担うべき使命をあらためて確認。さまざまな協力・連帯を通じて、それぞれの教会の福音宣教の課題として、各地域の外国人住民の人権確立に取り組むこと、その使命を共に担う恵みと喜びを伝えていくことの重要さを共有した。
宣言では、「パンデミックの終息が見えない中、日本の各地で社会的な弱者の存在が切り捨てられていくことが起こっています。今こそ、すべての人の命と尊厳、そして人権が守られる新しい社会を実現してゆくことが喫緊の課題」と指摘。そのために、これまで行ってきた対話や活動を継続し、世界の教会や市民団体と協力しながら、難民申請者・超過滞在者の生活支援をするとともに、人種差別撤廃のための基本条例や基本法、外国人参政権などを規定した「外国人住民基本法」の制定を求める取り組みを継続していくと表明している。
その上で、「キリストは、すべての命を守られ尊ばれるべき存在とし、抑圧から自由と解放へと導いていることを聖書は語ります」とし、「キリストが私たちと共に歩んでおられることを希望とし、さまざまなネットワークを活用しつつ移住者とともに『動くキリストのからだ』となり、託された福音宣教の使命を担うことを私たちは決意します」と宣言している。
外キ協は1980年代以降、全国のキリスト者が取り組んできた外国人登録法(外登法)の改正運動を背景に、各地の外キ連と各教派・団体が協力して87年に結成。98年には私法案「外国人住民基本法」を作成し、以降その制定運動に取り組んでいる。