カトリック長崎大司教区の前教区本部事務局長の神父(54)が、教区の会計を担当する法人事務所長(10~14年)だった13年に、教区の資金から計2・5億円を融資または投資に回し、そのほとんどが回収を見込めない状況だという。文藝春秋社が運営する「文春オンライン」が26日、伝えた。
報道によると、アラブ首長国連邦(UEA)の首長国の一つフジャイラでの石油ターミナル事業に関連する投資話を持ち掛けてきた会社社長に対し、神父が13年7~9月、教区の資金から計1億5千万円を貸し付けたほか、1億円を現地法人設立のために投資。しかし、会社は16年8月に倒産。貸し付けた1億5千万円についても資料で確認できた限りでは、倒産前の14~15年に1800万円が返金されたのみで、「典型的な投資詐欺の手口」だという。
さらに、貸し付けた1億5千万円のうち1億円は、長崎県内の教会堂建設のための積立資金と見られ、それに伴う金利負担が数千万円発生したとする情報もあることから、投資話に絡んで消失した金額は3億円近くに及ぶ可能性があるという。横領や背任が成立する可能性を指摘する声もあったが、神父は19年7月、九州の別の教区へ異動となったとされている。