文化庁が、日本国内の宗教統計調査をまとめた『宗教年鑑』の最新版(2019〔令和元〕年版)を発表した。それによると、「キリスト教系」に分類される宗教団体の総信者数は192万1484人で、全宗教団体の総信者数に占める割合は1・1%だった。
『宗教年鑑』は各宗教団体を、神道系、仏教系、キリスト系、諸教の4種に分類。信者数が最も多いのは神道系で8721万9808人(48・1%)、次が仏教系で8433万6539人(46・5%)、諸教が785万1545人(4・3%)だった。前年に比べると、神道系は105万3675人増加した一方、仏教系は99万6511人減少し、諸教は10万7831人増加した。キリスト教系は350人の減少で、ほぼ横ばいの結果となった。
キリスト教系の信者数を教団別に見ると、最も多いカトリック教会は44万893人(前年比61人増)、2位の日本基督教団は11万1090人(同4412人減)、3位の日本聖公会は4万7886人(同563人減)、4位の日本バプテスト連盟は3万3729人(同392人減)、5位の日本福音ルーテル教会は2万1858人(同50人減)だった。
都道府県別に見ると、キリスト教系の信者数が最も多いのは東京都で86万9443人(同5735人増)、2位は神奈川県で30万3530人(同229人減)、3位は大阪府で7万6654人(同3297人増)だった。一方、最も少なかったのは福井県で2234人(同86人増)、次が富山県で2700人(同224人減)、そして続く島根県が2710人(同12人減)だった。
宗教法人数で見ると、キリスト教系は4704法人(同8法人増)で、すべての宗教法人に占める割合は2・6%だった。また、キリスト教系の宗教団体に所属する教師数は3万1619人で、前年に比べ767人増えた。
『宗教年鑑』の統計調査は、各宗教法人の報告に基づいて行われている。信者の定義や資格などに違いがあることなどから、信者数については各宗教団体で重複することもある。そのため、全宗教団体の総信者数は約1億8113万人と、実人口約1億2615万人(2019年12月1日時点、概算値)の約1・44倍となっている。また、調査は宗教法人ベースで行われているため、非法人宗教団体のみを有する包括宗教団体や、非法人単立宗教団体は調査の対象外となっている。
さらに、キリスト教系と分類される宗教団体には、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)や、ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)、世界平和統一家庭連合(統一協会)なども含まれている。